2023.07.20
人材不足や設備投資負担など、課題が尽きないクルマの整備業界を支えたい。トヨタのマッチングサービスを取材した。
クルマの整備業界が危ない。少子化による整備士のなり手不足、若者のクルマ離れによる整備の需要減など、現場を取り巻く環境が厳しくなっている。
「100年に一度」と言われる大変革期を自動車産業550万人で乗り切るため、課題に直面する整備の現場に何かできないだろうか――。そんな想いでトヨタが“マッチングサービス”を始めた。
整備設備をマッチング
2022年6月、トヨタは中古自動車整備機器の買取・販売サービス、「メカコミ」を開始した。
全国の整備工場には、廃棄予定でもまだ使える設備が眠っている。それらをトヨタと協業している中古整備設備の専門業者が買い取り、メンテナンスを施してメカコミのwebサイトに出品。設備の新調や増設を検討する整備工場は、オンラインで中古品を購入できる。
メカコミを立ち上げた意図について、新事業企画部の中谷友昭主任はこのように語っている。
新事業企画部 中谷主任
今、整備の現場は取り巻く環境の変化により、苦しい状況が続いています。この中で解決しなくてはならない課題が3つあります。それが高齢化、人材不足、設備投資のコストです。この中の設備投資コストを軽減するため、メカコミは始まりました。
設備の増設や、新たに導入したいとき、新品だと高価すぎて購入できない。そんなとき、メカコミで中古品が手に入ればコストの軽減になります。
既存の整備工場だけでなく、独立を目指す整備士にもメカコミで中古設備を買ってもらい、開業のハードルを下げることで業界を活性化したいと考えています。
しかし、中古設備の売買自体は新しいものではない。メカコミの利点はどこにあるのか?