新しいサブスクKINTO Unlimited。「最新のクルマは高い」という常識を覆した背景に、トヨタのクルマづくりの変化があった。
【参考】KINTO Unlimited補足
KINTO Unlimitedとは?
初めにKINTOとは、車両代金に加え、保険や車検、メンテナンスなどの維持費が月額にすべて含まれたクルマのサブスクのこと。月々定額なので、急な出費の心配もなく、保険や税金の支払いなど、面倒な手続きも不要。
KINTO Unlimitedは、そこにトヨタの先進サービスを加えることで、今までの常識を超える「魅力的な月額」を目指した。
ここ10年で、国内の新車保有期間は3割上昇。車両価格も先進安全装備の標準化などで、同じく3割高騰。
今後、電動化や自動運転などの技術が織り込まれていくことを踏まえると、さらなる価格上昇も見込まれる。
ずっと安心して、経済的に乗り続けたいというニーズに立ちはだかる「限界」を超えていく。「Unlimited」という言葉には、そんな意味合いを込めた。
特徴Ⅰ:アップグレードで「進化」
KINTO Unlimitedは「進化」と「見守り」、2つのキーワードからなる。まずは「進化」について。
近年、クルマの安全技術は目まぐるしい進化を遂げているが、一度クルマを購入すると、ユーザーは次のクルマに乗り換えるまで、その恩恵にあずかることができなかった。
そこで、スマートフォンのように、オンラインでソフトウェアを更新できるOTA(Over the Air)を導入。トヨタとして初めて、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備もアップグレードできるようにした。
さらに、これまで膨大な作業時間がかかり、実現が難しかったハードウェアのアップグレードにも対応(サービス開始は2023年半ば)。
これを可能にするのが、装備を後付けしやすいよう、アップグレードに必要な作業の大部分をあらかじめクルマに織り込んでおく「アップグレードレディ設計」だ。
ブラインドスポットモニターの施工の場合、13時間から3時間へと縮めるなど、作業を大幅に効率化することができる。
特徴Ⅱ:コネクティッドで「見守り」
もう一つの特徴が「見守り」。「コネクティッドドライブトレーナー」と呼ばれる機能では、ブレーキの踏み方やハンドル操作、ウインカーを出すタイミングなど、幅広い走行データをもとに、運転の特徴を診断。
専用のアプリで、ユーザーがより安全で燃費のいい運転ができるようサポートするなど、「ドライバーを見守り」。
「クルマの見守り」を果たすのが、「コネクティッドカーケア」。
使い方によって異なるクルマの状態を見極め、一台一台にあったメンテナンス時期を提案する。
たとえば、走行距離や運転の仕方、外部環境などの情報をもとにエンジンオイルの劣化状況を見守り、安心で最適な交換時期を知らせてくれる。
付加価値がつくのに値下げできるワケ
KINTO Unlimitedの真骨頂は、こうした付加価値が加わるにもかかわらず、利用料金が下げられる点にある。
それはなぜか? まず、アップグレード機能による「進化」でサブスク期間が終了したときのクルマの価値(残価)が高くなる。
また、「見守り」でユーザーに安全運転を促すことで、事故を減らしたり、メンテナンスコストや修理代の低減が期待できる。
クルマの価値が維持できることを前提に、従来、下がっていた価値との差分をお客様に還元することで、月額利用料がリーズナブルになるという仕組みだ。
しかも、ソフトウェアのアップグレードも、コネクティッドドライブトレーナーも、コネクティッドカーケアも、費用はサブスクの月額利用料に含めるため、追加負担は必要ない。