レーシングドライバーから警察官、そして市民へとつながるバトン
それぞれの参加者が、業務では経験しない3つの実技を通して、安全運転への意識をさらに高めた。
「普段パトカーに乗って、市民の安全運転の模範になるようにといわれる身分ですが、レーシングドライバーの方々からアドバイスをもらって、まだまだ自分たちに足りないところがあったんだなと勉強になりました。」
参加者と一緒に訪れていた警部補の方からも「今回の参加者から、県民に交通指導などで、今回の安全運転講習会で教えてもらった技術を還元していってほしいと思います。」との意見があった。
NEXCO中日本の職員の方からも、「ハイウェイパトロールで、車幅感覚を覚えるために、もう少しパイロンの間隔を狭くして、スラロームをやったりすることあります。普段は、速く走るとかではなく、どちらかというと狭いところや、80キロで走っていて、急に非常駐車帯に入るとか、そういう仕事ですので、とにかく車幅感覚を覚えるような訓練はしています。
ただ、日々の訓練では、ここまで速度を出したスラロームや、急制動はしたことはありません。今回は通常の訓練とは異なる内容で楽しかったです。」と語ってくれた。
元走り屋から警察に恩返し
モータースポーツで培った運転技術を、警察官やハイウェイパトロールの方などに指導した2人にこの講習会の感想を聞いた。
勝田範彦
普段は急が付く運転はダメだと指導を受けている方々だと思いますが、今日は全く逆のことをやってもらいましたので、非常にいい経験になったのではないかと思います。
あと、どれだけ自分たちがクルマの機能を知らずに乗っていたかということもわかってもらえ、本当によかったと思います。次回も是非やってみたいです。
佐々木雅弘
こんな僕が、小学校の教壇に立ったり、今回のようなところで、警察のみなさんなどへ指導するっていうは、夢にも思わなかったことですが、それが現実となっているので、すごく不思議な気分です。
(若いころ地元で)注意されながら培ったテクニックを教えて、みなさんに喜んでもらったりしていることで、僕が昔やったことが無駄にならなくてよかったなと思います。
昔は、(今回の参加者のような方々に)ご迷惑をかけたこともあるかもしれませんが、その分、みなさんに還元して、これから先、もっとプラスして迷惑をおかけした分、倍以上にして恩返しをしていきます。
勝田選手と佐々木選手は、今後もこの活動を地域を広げて続けていきたいと笑顔で語ってくれた。