11月4日に開幕する「スペシャルオリンピックス 2022 広島」。知的障がいのある人とない人が共に楽しむスポーツ競技会をトヨタが支える理由とは?
知的障がいのある人たちのスポーツの全国大会「2022年第8回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・広島」が11月4~6日にかけて開催される。
スペシャルオリンピックス(SO)は知的障がいのある人たちにさまざまなスポーツトレーニングとその成果発表の場を提供する国際スポーツ組織である。
その始まりは、故ケネディ大統領の妹ユニス・シュライバー氏が開催したデイキャンプにある。スポーツを楽しむ機会が少なかった知的障がい者の社会参加を目的として1968年に設立された。
日本では1991年の世界大会に熊本県からアスリートが参加したことをきっかけに活動の輪が広がり、1994年には、SO日本が設立された。現在では、全国47都道府県で約7000人のアスリートと8500人以上のコーチ、ボランティアが活動に参加している。
あえて「オリンピックス」と複数形で記されているのにも大きな意味がある。競技会単体ではなく、日々のトレーニングを含めた活動全般を指しており、日常的にスポーツの機会を創出することを重要視しているのだ。
「スポーツを通じた平和で差別のない社会づくり」「モビリティを通じた持続可能な社会づくり」への貢献を目指すトヨタは、オリンピック・パラリンピックのみならず、2016年にSO日本のナショナルパートナー、2018年にはSO国際本部のグローバルパートナーに就任。
知的障がいのある人とない人が相手の個性を理解し、支え合いながら一緒に取り組む「ユニファイドスポーツ®」も支援してきた。
2017年に実施したグローバルパートナー調印式で、豊田章男社長は自身の原体験を交えて、こんな想いを語っている。
豊田社長
私は学生時代、グランドホッケーに出会い、ホッケーに明け暮れる毎日を過ごしました。
「豊田」という名前に生まれた私は、相手から先入観をもって見られることが多く、常に「素の自分を見てもらいたい」という気持ちがありました。
しかし、スポーツをしている時だけは「人間 豊田章男」として見てもらえた。一人のチームメイトとして接してもらえたのです。
さまざまな個性を持った人が同じ目標に向かって競い合い、リスペクトし合う世界を築くスポーツの力。スポーツとの出会いが、自分自身の生き方、考え方を変えるきっかけとなり、相手との関係も変わった気がいたします。
SOは、すべての人へのインビテーションであると、(SO国際本部の)シュライバー会長は言っておられました。「それぞれが持つ違いを個性として、互いに尊重し合う」、そんな垣根のないチームになるためのインビテーションを、トヨタはいただいたのだと思っています。
「すべての人に開かれた垣根のない世界」を実現したい。私たち一人ひとりが、本気で、本音で、そう思えたとき、「Mobility for all」、すべての人が移動の自由と楽しさを感じることができる世界に近づくことができると信じております。
オリンピック同様、4年毎に世界大会(夏季・冬季)が行われるSO。今回は、2023年にドイツで開催される夏季世界大会の日本選手団の選考を兼ねた大会となる。トヨタからは有志のボランティアが参加し、大会の運営のサポートをする予定だ。
SOの日本での歴史がまだ浅いこともあり、活動や大会について知らない人も多いかもしれない。懸命にスポーツに汗を流し、がんばるアスリートたちの姿はもちろん、スタッフたちのサポートや愛のあふれる雰囲気に、きっと胸が熱くなるはずだ。ぜひ体感してみてほしい。
【大会概要】
2022 年第8回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・広島
開催日程:2022年11月4日(金)~6日(日) 3 日間
11月4日(金) 開会式
11月5日(土) 競技予選/競技決勝/表彰
11月6日(日) 競技決勝/表彰/閉会式
開催地:広島県内各所(広島市、呉市、三原市、北広島町)
https://sonippon.wixsite.com/so-2022-hiroshima
競技:陸上競技、サッカー、テニス、バドミントン、フライングディスク、バスケットボール、柔道、ボウリング、卓球、競泳、馬術、自転車(デモンストレーション)