出張授業で子どもたちと考えるカーボンニュートラル

2022.09.26

「カーボンニュートラルと未来のエネルギーについて、考えるきっかけをつくりたい」。会社の壁を越えて実現した小学生への特別授業を取材した。

カーボンニュートラルを正しく理解してもらいたい

続いて、中部電力でんきの科学館の前田さんと大竹さんが地球温暖化のしくみについて説明する。

地球の周りは、目に見えない温室効果ガスにおおわれ、本来宇宙に出ていくはずだった熱が溜まってしまい、近年地球温暖化が進んでいること。

その結果、北極・南極の氷がとけ、海面上昇が発生し、南の島などが海に沈んでしまい、人が住むことができなくなってしまうかもしれないこと。猛暑や、スーパー台風、豪雨による洪水など、さまざまな異常気象が発生しており、これらが地球温暖化の影響かもしれないことが紹介されていく。

温室効果ガスのほとんどはCO2で、世界中で増え続けている。

CO2が増える原因として、一番多いのは「電気をつくるとき」、次に多いのが「工場を動かすとき」、その次が「人や物を運ぶとき」、それ以外にも「家庭での生活」というのも原因の一つになっている。

カーボンニュートラルとはCO2(カーボン)が中立(ニュートラル)であるということで、プラス(排出)とマイナス(吸収)のバランスが取れていること。何もしないとCO2が増えていってしまう。

さまざまな取り組みにより、これまでのCO2排出量を減らし、それでも減らしきれない部分は、CO2を吸収する働きがある木などを植えて吸収を目指す。出した分を吸収して相殺する。これがカーボンニュートラルだ。

電力会社では、安定した電気供給をする中で、風力、太陽光、原子力など、CO2を出さない方法で発電する電気を増やす取り組みをしているが、どの発電方法にも長所と短所があり、完璧なものはないという。

この先の未来も今と同じように便利な生活を送りながら、地球環境や動物たちのことを守るために、社会全体が力を合わせてCO2の排出量を減らし、「カーボンニューラル」の実現に向けて取り組まなくてはならない。

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