2024.06.03
先端AIの研究所であるTRI(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)。豊田章男会長、そしてトヨタの想いに深く根差したAI開発に迫る。
シリコンバレーに拠点を構え、先端AIの研究を続けるTRI(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)。多種多様な開発を進めるその実態を、富川悠太がサンフランシスコの地に赴き、現地現物で探った。
「私たちの使命は、世界中の人たちが幸せになるモノやサービスを提供すること。幸せを量産することだと思っております。」
2020年5月に、豊田章男社長(当時)から発信されたこのメッセージ。これこそがトヨタとTRIの研究において共通しているミッションである。
世界規模で高齢化が社会課題となる中、自動化によって叶えることができる幸せとは何か。実際に日本やアメリカで暮らす人々にインタビューしてみると、“身体的不自由”よりも“孤独感”や“目的への喪失”への支援の方が重要だと分かった。ここから、TRIはAIやロボット技術が人々の仕事を取って代わるのではなく、目的意識の回復と社会活動を支援することが、人々の幸せを生み出すのではないかと考えた。
物を運ぶことに特化したロボットは、運ぶ前に指で触ることで掴む範囲や必要な力を判断し、運搬ミスを防ぐ。買い物を代行するロボットは商品の識別だけでなく、商品棚からの適切な取り出し方を判別し、完遂できるように。
こうした人々の日常生活に寄り添った技術を研究することで、TRIは人々の幸せの量産を目指している。ギル・プラットCEOは次のように語る。
「研究の中心に人間がいるというのはトヨタの核心だと思います。(中略)私たちの目的はお客様を幸せにし、お客様の生活の質を向上させることです。それはクルマに限らず、すべての事業に共通しています。」
では、モビリティカンパニーのトヨタがなぜ、AI開発を通して幸せの量産を目指すのか。研究の最終形のイメージはあるのか。続きは番組で確認していただきたい。