トヨタイムズスポーツ
2026.09.02
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「串カツ」で王座奪還ならず、都市対抗野球で分けた明暗と未来への収穫

2026.09.02

都市対抗野球大会に臨む野球部トヨタレッドクルーザーズを特集。その2日後には1回戦となる試合を生中継。残念な結果となってしまったが、試合の様子と直前特集の模様を振り返る。

8月28日のトヨタイムズスポーツは、第97回都市対抗野球大会に臨む野球部トヨタレッドクルーザーズを特集した。

串カツにかけた“駆使勝つ”をテーマに掲げ、王座奪還に挑んだ今年のチームだったが、30日の1回戦は1-7とまさかの展開で敗退してしまった。2年連続の初戦敗退という事実は受け止めるしかないが、多くの若手が初出場するなどの収穫もあった。

次の舞台で悔しさを晴らすべく、直前特集と生中継した試合の模様を振り返る。

「クロジシキを頼んだ!」近社長が始球式に登板

2022年に日本選手権、23年に都市対抗、24年に日本選手権を制し、3年連続日本一を果たしたレッドテリアーズ。昨年は社会人野球の2大大会をどちらも逃し、王座奪還を目指す2026年となった。

これまでの大会でMVPの活躍をしてきた増居翔太投手がプロ入りし、嘉陽宗一郎投手は手術明け。新たな柱が求められる中で若手投手が台頭し、この春に入社した新人野手も活躍。ヤマハから3人の補強選手を加え、豊田市代表として都市対抗野球を迎えた。

8月30日の1回戦の相手は福山市・倉敷市代表のJFE西日本。東京ドームの1塁側スタンドには「応援熱叫シート」が設けられ、初戦にもかかわらず多くの応援する人たちが駆け付けた。

フェンス上部のリボンビジョンに映し出されたのは、「トヨタの社長の近健太です。経理出身なのでクロジがなにより大事です。野球部のみんな黒獅子旗を頼んだ!」。今年4月に就任した近社長からの、大会の優勝旗「黒獅子旗(くろじしき)」と「黒字」をかけた応援メッセージだった。

そして、試合の始球式を務めたのも近社長。見事にノーバウンド投球で大役を果たした。その舞台裏では、豊田章男会長と、同じ経理部に所属していた広島東洋カープの長谷部銀次投手からのアドバイスがあった。

レッドクルーザーズの先発は、この春に頭角を現した3年目の左腕、池村健太郎投手。独特の2段モーションで変化球を駆使し、ランナーを出しても落ち着いた上々の立ち上がりを見せる。

攻撃は徳本健太朗選手の盗塁などで三塁まで進んだが無得点。3回まで0-0で、お互いのチームが「我慢比べ」と、テクニカルアドバイザーの吉見一起さん(元中日ドラゴンズ)は解説していた。

明暗を分けた継投、4回に7失点

波乱は4回表ワンアウトからのJFEの攻撃、内野の悪送球エラーから始まった。続く打者に池村投手はこの試合初めてのフォアボール。さらに意表を突かれる三塁方向のセーフティバントで、1死満塁のピンチを迎えてしまう。

ここで動揺があったのか、初球でデッドボールを与えて、押し出しで先制点を奪われる。さらに四球で連続押し出し。2失点で池村投手は降板し、右のエース候補、細川拓哉投手がリリーフで緊急登板した。

ここで迎えたJFE西日本の1番打者は連続ヒットと絶好調で、細川投手の変化球をレフト前にうまく弾き返して2点タイムリー。細川投手は次の打者を抑えて2アウトを取るが、流れを止めることはできず、3番打者に3ラン本塁打を浴びてしまった。

7失点がレッドクルーザーズに重くのしかかる。続く4回裏の攻撃では、2アウトから四球と宮崎仁斗選手のヒットで一三塁のチャンスを作るものの、相手のリリーフ投手に抑えられる。

最大の得点機は5回裏。高祖健輔選手と尾瀬雄大選手のヒットで1死一二塁から、和田佳大選手がセンター前にタイムリーを放ち、1点を返した。

ここでJFE西日本は早くもリリーフをつぎ込む。アジア競技大会の代表であるエースの長野健大投手を投入。この継投策がハマり、トヨタは後続がダブルプレーに抑えられて、反撃は1点どまり。

雪辱の舞台はアジア競技大会、そして日本選手権へ

レッドクルーザーズの希望をつないだのは、高卒2年目の高尾響投手だった。5回から登板し、3イニングを1安打4奪三振で無失点。甲子園での経験豊富な20歳が、都市対抗初登板らしからぬ堂々としたピッチングを見せた。

補強選手の沢山優介投手も8・9回をしっかりと抑え、最後の反撃を待つ。だが、最終回に登板したJFE西日本の抑え投手に代打攻勢が封じられ、最後はベテランの北村祥治選手が倒れて、1-7でゲームセット。

試合を終えて、実況席の森田京之介キャスターと解説の硬式野球部OB竹内大助さんは、重苦しいムード。だが、応援席の人々はずっと立ち続け、最後まで戦った選手たちの健闘を称えていた。

今年も試合を見守っていた東崇徳 経理本部長は、応援の大切さを再認識したと言い、「キャプテンでケガした逢澤(崚介)選手が出られなかったり、満身創痍の中でも次の世代が出てくるのがチームプレー。次にこの悔しさを跳ね返していきましょう」と実況席に呼び掛けた。

レッドクルーザーズが雪辱を果たす次のチャンスは、秋の日本選手権となる。「ただ、その前にアジア競技大会があります。今日の皆さんの応援の熱狂を、愛知・名古屋に持っていってください」と竹内さん。

選手7人が出場する9月のアジア競技大会での熱狂を誓い、都市対抗の生中継は幕を閉じた。

「串カツ」に込められた思い

試合2日前に生配信された直前特集の一番の見どころは、今年のレッドクルーザーズのテーマである「駆使勝つ(くしかつ)」についての解説。番組ディレクターでもある竹内さんは、特集タイトルの「串カツ」部分のリアルさにこだわったそう。

藤原航平監督へのインタビュー(20:14 から)では、「駆使勝つ」に込めた思いが明かされた。これまでのチームは自分の強みを磨くことに注力してきたが、対戦相手を見て変化する部分が弱くなったと感じたため、そこを受けての改善が「引き出しを増やすこと」。いろんな武器や相手に応じたオプションを増やして「駆使」していくのが、藤原監督の目指しているチームづくりだ。その結果、選手同士がお互いの認識を合わせていくために、会話量が多くなったという。

このインタビューをする前には、取材中の森田キャスターに次の試合のファウルボールが直撃していたことも番組で明かされた。目の周りにアザができたが、「しっかり治りまして、この目で見て熱く実況させていただきます」と本人。映像は少し痛々しいが、まずは一安心だ。

初安打の新人、尾瀬雄大と前田健伸にもインタビュー

直前特集では、ほかにも都市対抗野球のトーナメント表を見ながら大会の見どころ解説(7:39 から)や、注目選手のVTRなどをお届けした。

エース候補である池村健太郎投手と細川拓哉投手のインタビュー(26:48 から)、早稲田大学の同級生コンビで都市対抗でともにスタメン初安打を記録した新人の尾瀬雄大選手と前田健伸選手のインタビュー(28:54 から)、ヤマハからの補強選手の永濱晃汰選手・沢山優介投手・網谷圭将選手のインタビュー(30:46 から)のほか、広報担当の高橋優や宮崎仁斗選手への生電話(41:04 から)もおこなわれた。

今年は都市対抗の面白さを満喫する前に大会を去ることになったが、来年はぜひ王座を奪還してもらい、応援する側も存分に楽しみたい。その前に今年の秋は、アジア競技大会と日本選手権での熱狂、そして優勝を待っている!

毎週金曜日11:50からYouTubeでお送りしているトヨタイムズスポーツ。次回(2026年9月4日)は、アジア競技大会に出場するサーフィンの五十嵐カノア選手を特集する。サーフィンは愛知・名古屋2026で初めて正式種目となり、会場は田原市の太平洋ロングビーチ(大石海岸)。東京2020オリンピックの銀メダリストに、再び日本で大舞台へと挑む想いをたっぷりインタビューした。ぜひ、お見逃しなく!

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