アジア競技大会の開催を目前に控え、サーフィンの五十嵐カノア選手にインタビュー。意気込みはもちろん、メンタル面の強化術などを語ってくれた。9月25日から28日まで開催されるサーフィンの会場は、2018年にカノア選手が世界選手権で日本勢初のメダルをもたらした、愛知県田原市の大石海岸という点にも注目。
9月4日のトヨタイムズスポーツは、サーフィンの五十嵐カノア選手のインタビューをお届けした。
第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)でカノア選手は、2年後のオリンピック出場枠をかけて戦う。しかも、会場は田原工場がある海。カノア選手が2018年に世界選手権で日本勢初のメダルをもたらした場でもある。自分の100%を出すことを目指し、侍の精神も勉強しているというカノア選手。そのメンタルに限界はない!
レクサスのサポートが愛知・名古屋2026への自信に
「もう本当にすごい楽しみ。このチャンスがあるだけでも本当にありがたい。周りに日本人がいて日本食を食べられるし、自分もすごい自信が出る。チャンスだから優勝できるようにいろいろ準備をしていて」
9月19日に開幕するアジア競技大会への想いを語るカノア選手。日本での試合は銀メダルを獲った東京2020オリンピック以来で、感慨も深い。しかも優勝者には、自身の地元で開催されるロサンゼルス2028オリンピックへの出場枠が与えられる。優勝は今年のメインの目標だ。
2025年からレクサスとアスリート契約を結び、来日時には田原工場も訪れたという。9月25日から28日まで開催されるサーフィンの会場は、愛知県田原市の大石海岸(太平洋ロングビーチ)。一番熱い声援を受けることは間違いないだろう。
「自分もレクサスのステッカーが板に貼ってあって、毎朝起きてGXに乗ってサーフィンに行けるだけでも、すごい自信になる。自信がパフォーマンスにつながっていくのは、どのアスリートでもみんな同じ。その中でレクサスのサポートは、ものすごい自信が出る。みんなの幸せな顔を見られるように頑張ります!」
カノア選手のアジア競技大会への抱負は23:05から。
憧れのLFAに「もう1回ちゃんと乗りたい」
インタビューの会場は、東京・表参道のINTERSECT BY LEXUS – TOKYO。カノア選手を待ち受けていたのは、昨年末のワールドプレミアで発表されたLexus LFA Conceptだ。憧れのクルマとの対面に「すごい!鳥肌立っちゃうぐらい。ドキドキする」と目を輝かせた。
実はカノア選手は、今年の春にサーキットでLFAに試乗していた(詳細はコチラ)。それでも、初めてBEVのLFAを目の当たりにして、「すごいアグレッシブなライン。LFAっていう感じのデザインで、すごい速そう」と、憧れは止むことがない。
サーキットでは自分でもLFAのハンドルを握ったが、プロドライバーの運転する助手席に乗ったのと比べて、自分には「まだ早い」と感じた。ドライビングのシミュレーターを購入したいそうで、自分がクルマのレベルに追いついて自信が持てるようになったら、もう1回ちゃんと乗ってみたいと語る。
「スピードは誰でも出せる。その中でコントロールできるのが難しい。サーフボードも同じで、スピード出てコントロールが不安になる板もある。でもいい板というのは、スピードが出ても“まだいける”というのが、サーフボードとサーファーのパーフェクトなコンボ。それがすごい似ていて、この前LFAに乗って印象に残った」
LFAとの再会にうれしそうなカノア選手は1:00から。
自分の100%を出すために、メンタル面を強化
今年のカノア選手は、メンタル強化に取り組んでいる。
「メンタルは、足りないというよりも“リミットレス”。これ以上練習できないというのは絶対ない。スキル、パフォーマンス、身体はこれ以上できないというのは意外とあるけど、1日中メンタルはトレーニングできる。自分はメンタルが強いと思っていたけど、まだまだ成長できるところはいっぱいある」
参考にしているのが、日本の侍のメンタリティだ。「侍の考え方も、自分の体の中にある、自然にもある。日本人としてあるから、それをもうちょっと勉強したい」と語る。学びを続ける中で、たどり着いたメンタル面のチャレンジは「自分の100%をどうやって出すか」ということだった。
「いつか自分の100%に会うかどうかもわからないし、今は何%を出してるのかもわからない。でも100%じゃないというのはわかる。毎回負けると落ち込むというのは、まだ自分の100%を見つけていない意味だと自分でも思っていて。自分の100%を見つけて出した日には、優勝しても負けても絶対うれしい。自分に対してハッピーという日はいつか来ると思うけど、それはまだ今じゃない」
「自分で自分にどう声をかけるか」
メンタルに関連して森田京之介キャスターが紹介したのが、同じレクサスアスリートであるエアレースパイロットの、室屋義秀選手の言葉(8:34 から)。「自分で自分にどう声をかけるか」が、自身を高めるためには必要だという。
カノア選手も、セルフトークの大切さについて共感。そのうえで、自分で声をかける言葉をポジティブに切り替えていきたいという。
「(これまでは)『絶対負けちゃだめだよ』とか『ここで失敗しちゃだめだよ』という感じのトーン。でも、それはちょっとネガティブだなと。もうちょっと自信が出るトーンにすれば、パフォーマンスにつながるかなと最近思いました」
WRC勝田貴元との交流から得た気づき
カノア選手は、テニス選手やF1ドライバーなどのアスリートの友人から、学びやモチベーションを得ているという。日本人として34年ぶりにWRC優勝を果たしたラリードライバーの勝田貴元選手とも、交流する機会があった。
「ラリーのことを知らない人だったら、外から見て『速く行けばいいじゃん』という感じで、自分もそういうイメージだったけど。実際に貴元選手としゃべると、ブレーキのタイミング、ホイールの熱さ、その日の空気の温度とか、ものすごい細かくて。ラリーの見方が変わって、すごい勉強にもなる」
トップアスリートたちの細かいプレーや挙動には、外からは見えない意味がある。それを再認識したことは、動作の一つ一つが無意識なレベルにまで高まった自身のサーフィンを見直すきっかけになっているそうだ。
「サーフィンは自分が自然に海に入って、波に乗って技を入れて。もう自然になってるから、自分もその細かい部分を考えなくなった。それはいいところもあるし、良くないところもあって。普通の自分のサーフィンだったら、カービングしてる時は右手を上に持っていくのは自然。でも、もしかしたら、ちょっと(手を)前に持ってくれば、技の最後の方にスピードが出るんじゃないかとも考え始めて。自然をそのままオートマチックじゃなくて、細かく考えようと思った」
さまざまなアスリートや憧れのクルマから刺激を受け、常に進化を続けるカノア選手。この9月は日本の海で、新たな波に乗ることを期待しよう!
毎週金曜日11:50からYouTubeでお送りしているトヨタイムズスポーツ。次回(2026年9月11日)はアジア競技大会の直前スペシャルで、陸上の田中希実が初登場する。世界に挑み続ける日本中長距離界のエースが、今年春に豊田自動織機に復帰。1500m・5000m・10000mで出場予定の愛知・名古屋2026への想いを聞く。ぜひ、お見逃しなく!