トヨタの硬式野球部レッドクルーザーズが決算の勉強? 普段は白球を追いかける選手たちが数字を追う。その狙いとは?
愛知県豊田市にあるトヨタスポーツセンター。硬式野球部“レッドクルーザーズ”のクラブハウスが、この敷地内にある。
日本選手権も閉幕し、2025年の主要大会はすべて終わった11月のとある日、レッドクルーザーズの選手・スタッフが、続々とミーティングルームに集まってきた。
待ち受けていたのは、辰巳智大走塁コーチだ。現役時代は俊足強肩の外野手としてチームを支えてきた。
今シーズンは、都市対抗野球も日本選手権も頂点を逃し、悔しい1年となったレッドクルーザーズ。早くも来季に向けた作戦会議だろうか?
そんな疑問を抱きながら様子をうかがっていると、スクリーンに映し出されたものは…。
「野球」と「決算」。一見するとまったく結びつかない2つの言葉。
実はコロナ禍に簿記1級の資格を取得している辰巳コーチ。勉強会の中で、その狙いを明かす。
「今、この瞬間よりも、決算について知ってほしい。2つ目は、経営陣の皆さんの想いを知ってほしい。3つ目は、それを自分たちにも落とし込んでほしい」
勉強会はトヨタイムズが速報した中間決算を題材にしつつ、基本的な用語の解説に始まり、トヨタが数字に込めた想い、“レッドクルーザーズらしさとは何か?”にまで及んでいく。
高卒ルーキーの村上凌久投手、高尾響投手はこれまで、「決算」というものを考えたことはなく「(業績を)まとめた大きな数字」というくらいの認識だったという。勉強会を終えた2人に話を聞いてみると、「数字の中にもいろいろな中身がある」とイメージが変わったようだ。
「こういう会を開いていただいたので、トヨタ社員として貢献できるように、しっかり学んで想いにも近づいていきたいです」(村上投手)
「トヨタについて知って、一人前のトヨタの社員になっていけるように、勉強していきたいと思います」(高尾投手)
村上投手、高尾投手のように、まだ決算や経営をあまり意識したことがない若手選手やスタッフも少なくない。この勉強会は、そんな選手・スタッフにも、野球部として会社に貢献できることは何か?を考えるきっかけになったようだ。
今回、そんな勉強会を一本の動画にまとめた。後半には藤原航平監督のインタビューも収録。バットを教鞭に持ち替えて、辰巳“先生”の熱血指導をぜひご覧いただきたい。