トヨタイムズスポーツ
2024.07.24
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連覇に向け最高のスタート! 佐竹功年がラス都市対抗で勝利投手に

2024.07.24

都市対抗野球の連覇を目指す硬式野球部レッドクルーザーズが、初戦の沖縄電力に1ー0で勝利! 9回表には、引退を発表している佐竹功年投手が登場するなど白熱の模様をレポート。

7月19日のトヨタイムズスポーツは、東京ドームからの生中継。都市対抗野球の連覇を目指す硬式野球部レッドクルーザーズの初戦を、実況で伝えた。試合はしびれるような投手戦となり、大黒柱の嘉陽宗一郎投手から、引退を発表した佐竹功年投手への完封リレー。9回裏には両投手をリードで支えた高祖健輔捕手がサヨナラ打を放ち、沖縄電力に1ー0で勝利した。役者がそろった最高のスタートを切り、7月30日の決勝へと突き進む!

佐竹功年がピンチを抑え、高祖健輔が殊勲のサヨナラ打

9回表、126球の力投を続けてきた嘉陽宗一郎投手が、2死一、三塁のピンチを迎えた。マウンドに向かったのは背番号「19」。都市対抗は5年ぶりの登板となる佐竹投手の名前がコールされた。

「佐竹引退は7月30日以外ありえない! ベンチもスタンドも、みんなそう思っている! 頼むぞ野球部! 豊田 章男」

外野席フェンスのLEDビジョンに表示されたメッセージを、実況の森田京之介キャスターが叫んだ。「ミスター社会人野球」とも呼ばれる40歳の大ベテランには、決勝の舞台で有終の美を飾ってほしい。その想いを乗せた大声援を背に、147kmの速球を見せる佐竹投手。見事に火消しの役割を務めた。

その裏、この試合初めてとなる相手内野陣のエラーと四球で、1死一、二塁。打席の高祖捕手は3球目、高めの変化球を振り切った打球はライトへ。代走の坂巻尚哉選手がホームインし、赤いユニフォームの選手たちは歓喜の輪に包まれた。

優勝チームに授与される黒獅子旗を取り戻すまで、あと4勝。「勝利投手:佐竹」を記録した、9回の息詰まる攻防は3:16:30から

大神雄子が始球式でナインに闘魂注入

試合を振り返ると、殊勲打を放った高祖捕手に闘魂を注入したのは意外な人物だった。始球式を務めた、女子バスケットボール部の大神雄子HC(ヘッドコーチ)。国際バスケットボール連盟の殿堂入りを果たしたレジェンドでもある。

大神HCのユニフォームには「MORIZO」の名前と背番号「00」。豊田会長から想いを託されただけでない。バスケットボールが描かれたグラブは、佐竹投手からのプレゼントだ。

全力投球で始球式を終えた大神HCは、ボールを返す高祖捕手とグータッチすると同時に、強烈な檄を飛ばした。「エナジーを送りました! 私の投球はバウンドしましたけれども、野球部への想いはバウンドしていない!」と語る大神HCの熱いパッションが、選手たちに乗り移った。

始球式と試合開始は1:07:51から

久々に実戦登板の嘉陽宗一郎が好投

先発はもちろん、昨年の大会でも3試合を投げ、橋戸賞(最優秀選手賞)を受賞した嘉陽投手。だが、状態は万全だったわけではない。4月の試合で相手の打球が右ひじを直撃、実戦復帰までは2カ月を要した。公式戦での登板は、3カ月半ぶりとなる。

立ち上がりは2三振を奪い、力で相手をねじ伏せた。その一方でストレートの精度が本調子には遠い嘉陽投手を、解説の吉見一起さん(テクニカルアドバイザー、元中日ドラゴンズ)も心配していた。

だが、回を重ねるごとに実戦感覚を取り戻し、制球も安定していくのは、さすが社会人ナンバー1投手。ランナーを出しても落ち着いた投球で、沖縄電力打線を封じた。

佐竹投手が引退後のチームを支える、エースの自覚。連覇にこの男の力は欠かせない。

沖縄電力の投手陣に打線が苦戦

前年優勝チームには予選が免除された影響もあってか、初戦のレッドクルーザーズ打線はエンジンの掛かりも遅かった。ランナーは出すものの、盗塁失敗や併殺打が続き、仕掛けがことごとく沖縄電力に封じられてしまう。最終回には、相手のミスをしっかり得点に結びつけ、本来の打線の姿を取り戻した。

藤原航平監督は、試合直後のインタビューで「沖縄縄力さんの投手がいいのはわかっていましたので。ロースコアも頭には入れていました。トヨタはトヨタの攻撃をしようと、最後までやってくれたのは大きかったです」と振り返っていた。

「佐竹を勝たせたい」という想いが生んだ勝利

そして佐竹投手。19年の社会人野球生活で数々の栄光に輝いてきたレジェンドの現役最後の大会は、どんな場面での登板になるのか注目が集まっていた。藤原監督は、最大のピンチの局面で佐竹投手をマウンドに送り出した。実況席もヒートアップし、後輩の竹内大助アスリートキャスターは「ここしかないという場面ですよね」と熱い視線を送る。

2死満塁で沖縄電力のベテラン金城長靖選手を迎えた2球目、ライト線に打球が飛んだ。ボールはファウルグラウンドに落ちて九死に一生を得たが、佐竹投手の表情は変わらない。打球に飛びついた野手が治療のためにいったんベンチに下がっている間も、動じた様子は全く見せない。インターバルの後、3球目でファーストゴロに打ち取ってみせた。

スタンドで見守っていた佐竹投手の娘さんは「(ピンチでの登板は)正直めっちゃ嫌でした。人生で一番ドキドキしました。本当にかっこよかったです」と、父親の雄姿に涙を見せていた。

大会前のインタビュー動画「【引退】佐竹功年 最後の都市対抗を前に語ったトヨタへの想い」において、佐竹投手は「誰かのためにという気持ちがあると頑張れる」と語っていた。この試合では、「佐竹のために」「佐竹を勝たせたい」というみんなの気持ちが決勝打へとつながった。

次戦は7月25日(木)午前10時から、もちろん生中継も

レッドクルーザーズの次戦は7月25日10:00から、強豪の三菱重工Westが相手だ。カギを握る先発陣には、1・2年目の増居翔太投手、加藤泰靖投手、後藤凌寿投手、池村健太郎投手らが控えている。前年優勝チームには補強選手がいないというハンデを、若手の成長で乗り切ってくれるはずだ。

野手陣も、初戦で都市対抗初出場を果たした三塚武蔵選手、試合前のロッカールームでは「Yu-Voice」で活躍する髙橋優選手など、期待されている選手が多い。「トヨタの選手が選ぶ2024ブレイク選手BEST3」の動画もぜひ確認していただきたい。

トヨタイムズスポーツでは、レッドクルーザーズの全試合をYouTubeで生配信していく予定。豪華なゲストを放送席に迎えるほか、トヨタアスリートやあの人がスタンドから出演する可能性が高い。視聴者から「アナウンサー落ち着いて」とコメントで指摘されるほど思い入れたっぷりな森田キャスターの実況も、どこまで熱くなるのか楽しみだ。まずは7月25日(木)午前10:00〜の2回戦の中継をお見逃しなく!

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