最近のトヨタ
2025.03.12
シェア: Facebook X

URLをコピーしました

意志さえあれば自分と未来は変えられる 行動を起こせば周りも変わる 自分の心に火を

2025.03.12

「気を抜いたら、すぐに普通の会社に戻ってしまう」。「トヨタらしさ」を次代へ引き継ぐために、今再び求められるのは、家族の会話だ。

未来を変えていくのは制度ではなく一人ひとりの熱量

佐藤社長

今やるべきは、健全な危機感を行動につなげていくことです。この点について、労使で共通理解に立つことができたと思います。

それを踏まえて、組合の要求に対する回答として、「総合的な人への投資」の取り組みを3つの切り口で申し上げます。

1つ目は、各本部・カンパニーでの年間を通じた話し合いです。

全員参加の話し合いを通じて、職場で解決できる課題は、職場で一つひとつやり切る。そして、職場の実態に合わせて、一人ひとりのやりがいと競争力を高めるためのアクションを決めていきたいと思います。

本部長・プレジデントが現地現物で判断して、着実に、実行に移していきます。

これはつまり、本部・カンパニーごとに「差が生まれる」ということでもあります。それを理解して、リーダーも、メンバーの皆さんも、それぞれに努力をしていかなければならないと思います。

各職場でアクションを積み上げたうえで、7月と11月に、全社で進捗を確認する場を持ちましょう。

2つ目は、挑戦・行動する皆さんを後押しする仕組み・制度です。

一人ひとりの力をもっと引き出すために、全職種・資格において、役割に応じてメリハリをつけられる評価制度に変えていきます。賞与の加点幅の拡大に加えて、資格を超えて頑張りに報いることができる仕組みも検討いたします。

技能職については、活躍の仕方が多様化している実態を踏まえて、職種や昇格、手当のあり方も総点検して、人事制度まで踏み込んで見直しをしてまいります。

また、メンバーの多様化に対応するために、職場先輩制度など、新しい仲間の立ち上がりをサポートする施策を充実させていきます。

仕組み・制度の見直しは10月までに、労使専門委員会で集中的に議論をして、具体化していきます。

3つ目は賃金・賞与です。

賃金・賞与ともに、総額は、要求どおりの回答といたします。

ただし、いずれも、より一人ひとりの力を引き出すものにするために、配分の詳細は、今後、賃金分科会で議論して、決定いたします。

例えば、今回声を上げていただいたような、開発や製造技術の前工程に入り込んで活躍する技能職のメンバー、生産性を高める挑戦をしてくれている業務職のメンバーをはじめ、領域を拡大して、専門性を活かしてチャレンジする皆さんに、厚く配分できるようにしたいと考えています。

以上、「総合的な人への投資」の取り組みとして、回答を申し上げます。

本日から、再び、年間を通じた話し合いがスタートします。

私たちが向き合う課題は、簡単に答えが出るものばかりではないと思います。

労使でともに悩み、ともに打開策を模索するのが、トヨタの「家族の話し合い」です。

そのうえで、まず決めて、やってみる。現場で改善する。その積み重ねが、必ず未来の景色を変えていくと思います。

未来を変えていくのは、制度ではありません。トヨタで働く私たち一人ひとりの熱量だと思っています。

1回の話し合いで、組合から「自分はクルマが大好きで、幼いころからトヨタで働きたいと思っていた。トヨタにいる皆が何かしらの熱い想いを持ってここに集まっているはず」という発言がありました。

とても心に響く言葉でした。自分自身を振り返っても、そうだったな、と思いました。

「自らの手で、カッコいいクルマをつくりたい」
「日本を背負って、世界の役に立つ仕事がしたい」

皆さんそれぞれに、いろいろな想いを持ってトヨタでの仕事を始めたと思います。そして、一生懸命、仕事を覚えて、自分の成長や貢献に喜びを感じる日々があったはずです。

年を重ねて、経験を積むごとに、どこか賢くなってしまい、自分自身で壁をつくってしまっていることはないでしょうか。

意志さえあれば、自分と未来は変えられます。自分が変われば、おのずと周りも変わっていくと思います。

ぜひ、もう一度、自分の原点を思い返して、自分の心に火をつけて、行動していきましょう。

お客様の笑顔のために。自動車産業の仲間のために。そして、私たち一人ひとりの未来のために。

もっといいクルマをつくろうよ!もっとみんなで働こうよ! 労使でこう言い合える会社をつくっていきましょう。ありがとうございました。

佐藤社長の言葉と想いを受け、鬼頭委員長が「変わっていくことへの期待と責任を求められている」と受け止めた。