脱炭素社会へ選択肢拡大を目指すスーパー耐久シリーズへの挑戦も今年で3年目に。開幕戦では、ここに集まった仲間たちが、それぞれ新エネルギーについて話した。
カーボンニュートラル燃料の選択肢を広げる
開幕戦総括のラウンドテーブルでGAZOO Racingカンパニーの高橋智也プレジデントとGR車両開発部先行開発室の横田義則室長は、28号車のカーボンニュートラル燃料で走るGR86の今年1年の目標について説明した。
トヨタ自動車 GR車両開発部先行開発室 横田室長
次のモデルにつながる開発、クルマづくりを、今年1年を通じて、レースの現場でやらせていただきたいと考えております。
最終的にはSUBARUとトヨタ、両トップから86/BRZのフルモデルチェンジへの了承がいただければと思ってやっております。
カーボンニュートラル燃料の参戦も昨年と同様、続けておりますが、他のOEM(完成車メーカー)とも一緒に連携しながら、シーズンを通して、カーボンニュートラル燃料の選択肢を広げる活動を進めていければと思っています。
TOYOTA GAZOO Racing 高橋プレジデント
今年もS耐では、去年に引き続きカーボンニュートラル(に向けた技術)を鍛える。それだけではなくクルマをどんどん進化させていく、そういう場としてこの場を活用させていただきたいと思っております。
我々はカーボンニュートラルの選択肢を広げると言っておりますが、クルマ(GR86の次期モデルのあるべき姿)を広げる選択肢もここにはあると思っておりますので、今年のS耐1年を通してしっかりとやっていきます。
過酷な24時間レースがデビュー戦
そして、開幕戦はトラブルにより残念ながら参加できなかった液体水素カローラは次戦の富士24時間をデビュー戦に見据える。この挑戦に対して佐藤社長は次のように語った。
トヨタ自動車 佐藤社長
走行プランは今回のような5時間レースと24時間ではやはり変わりますし、特に夜のセッションが入るのは、すごく大きなファクターになると思います。
初回デビュー戦で、さらに24時間の準備が必要で、負荷は高まるんだろうなと思っています。
振り返ってみれば、気体水素の初戦も24時間でした。一気に24時間を乗り越えるための技術的な備えを考えると、覚悟が決まりました。
モリゾウさんも「運命的だよね」と言っていましたが、再び24時間をそういう気持ちで迎えるということなので、技術的に新たな追加をやるのではなく、不測の事態に備える危機管理のメニューを増やして臨もうと思っています。
いろいろなケースに備えた準備をしっかりとやろうと思っています。
今シーズンもレースの現場で脱炭素に向けた闘いが開始された。