新年のあいさつで従業員に3つのお願いをした豊田社長。プログラム終了後、再登壇すると、一つお願いを付け足した。
先日トヨタイムズで紹介した豊田章男社長による新年のあいさつ。当日のプログラムでは、スピーチを終えて閉会するはずだったが、実は続きがあった。
舞台袖に下がった社長が再度ステージに登壇し、エンディングで流した自動車5団体連名のCMに込めた想いや出席者への期待を語り始めた。
そして、最後に話したのが、日本自動車工業会の会長でも、トヨタの社長でもなく“豊田章男”としての2022年の抱負。
トヨタイムズでは、そこに込められた従業員への“4つ目のお願い”について紹介する。
豊田社長
私自身の今年やりたいことですが、マスタードライバーでも、トヨタの社長でも、自工会会長でも、モリゾウでもなく、一人の運転好き、クルマ好きの人間として、クルマを楽しむ時間をつくりたいと思っています。
こういうことを言うのは、去年はできなかったからです。クルマを運転していても、マスタードライバーとしてのコメントを要求されたりとか、自工会会長として、バッシングを受けたりとか。
純粋にクルマ大好き、運転大好きの自分になれなかった。
今年は、そういう時間をたくさん持ちたいと思っていますので、私がクルマに乗っているところを、皆さん、邪魔しないように。それと、自分の仕事の都合で、ちょっかいを出してこないように(笑)。
「今は一人のクルマ好きの人間になって、楽しんでいるんだな。ちょっと一呼吸おこう」と是非ともチームワーク、よろしくお願いします。
最後に豊田社長からある提案が――。それは、トヨタ創業期を扱ったドラマで、自身が一番印象に残っているというシーンに出てくる「やりましょうよ」という言葉の唱和だった。
ドラマでは、創業者・豊田喜一郎をモデルとした経営者が自動車事業への進出を提案した際に、現場の従業員の一人がこの言葉を口にして立ち上がる。すると、ほかの仲間たちも力強く呼応する。
正解のわからない未来に向けて挑戦する仲間同士が、お互いを鼓舞し、ともに立ち上がるシーンで使われた言葉である。
豊田社長
最後、今日ここには、これだけの人数の方に集まっていただきました。それも私の話が聞きたいと思って、手を挙げていただいた方々です。これ以外にもオンラインで1万5000人が、今回のスピーチを聞いているようです。
ですから、オンラインで参加いただいている方、そして(会場の)皆さん。最後に共同作業をやりたいと思います。
私の「やりましょうよ!」の掛け声とともに「やりましょうよ! 私たちは動く」。それを全員で唱和したいと思います。
全員起立。「やりましょうよ! 私たちは動く」。ありがとうございました。