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「戦いに勝つ力を」 仕入先との「チーム・トヨタ」でともに強くなる

2026.03.31

日本の自動車産業が生き残っていくために、トヨタと仕入先が本気、本音で向き合える関係へ。佐藤恒治社長、近健太次期社長が仕入先トップに語ったメッセージを紹介する。

近次期社長のやらなければならないこと

近次期社長

皆様、こんにちは。近でございます。本日はご参加いただき、誠にありがとうございます。

佐藤からもありました通り、トヨタのチーム経営のキャプテンを務めることになりました。チーム一同、精いっぱい努力してまいります。変わらぬご支援をいただきますよう、なにとぞ、よろしくお願いいたします。

私達を取り巻く環境は厳しさを増すばかりです。

決算数字などから「トヨタは安泰だ」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、全くそんなことはありません。

トヨタの競争力基盤は明らかに弱くなっています。

リーマンショックの時、創業以来の赤字に転落し、たくさんのプロジェクトを止めざるを得なくなりました。

F1撤退、(GMとの合弁会社)NUMMI撤退など、当時社長だった豊田は、毎日のように、誰かが悲しむ、つらい決断をしておりました。

そして、こう申しておりました。

急成長しても急降下すれば、多くのステークホルダーの皆様にご迷惑をお掛けする。良い時は、みんなが良いから大丈夫。悪い時こそ、サプライチェーンを支えるために踏ん張れる会社、そんな会社にトヨタをしたいんだ」と。

私は秘書として、近いところでその姿を見てまいりました。

だからこそ、今の私がしなければならないことは1つです。

仕入先の皆様をはじめ、トヨタを信頼してくださっている多くのステークホルダーの方々に、ご迷惑をおかけしない

そのために、今の競争力基盤を立て直し「トヨタの強さ」を取り戻す

それに尽きると思っております。

「ステークホルダーにご迷惑をおかけしない」。そのために「今の競争力基盤を立て直し『トヨタの強さ』を取り戻す」。こう語る近次期社長の念頭には、損益分岐台数の改善がある。

昨年の2026年3月期 中間決算発表の場では、上昇傾向にある損益分岐台数を課題に挙げ、先日の労使協議会(労使協)でも「収益構造の改善は『待ったなし』」と語っている。

その取り組みをどんな想いで進めていくのか。近次期社長自身がトヨタの原点を思い起こすきっかけとなったあるエピソードを紹介した。

豊田会長の教え

近次期社長
私は現在、ウーブン・バイ・トヨタに在籍をしております。

外国人の同僚から、こう言われ、ハッとしました。

トヨタほど、お客様や社会のためを思って、行動している会社はないじゃないか。そういう理念を持ったトヨタが絶対に勝たないといけない。そのことを、トヨタ自身が忘れているんじゃないか?俺はそれが一番頭にくるんだ」と。

そういう彼の言葉が、私に原点を思い出させてくれました。

「日本に自動車産業を興し、この国を豊かにしたい」という豊田喜一郎の志に共鳴し、クルマづくりに挑戦された、創業期の仕入先の皆様。

仕入先の皆様を前に喜一郎が、解体したエンジン部品を部屋に広げて「この中から、できるものを持って行ってください」と声をかけ「自動車は未知の世界。今までの織機や紡織の技術が役に立つかはわかりません。部品一つひとつから出発しなくてはなりません。トヨタとともに苦労を分かち合ってください」そう、お願いしたことから関係が始まりました。

これがトヨタのスタートなんだと、私は豊田から教わりました。

トヨタとは、トヨタ自動車だけのことではありません

そして、日本だけのことでもありません

我々のクルマづくりに関わってくださる世界中の仕入先の皆様とともにある。それが「チーム・トヨタ」なんだ。私は、そう教わってまいりました。

我々は、ともに勝たなければなりません

私自身が現場に入り、苦労している一人ひとりの顔を見て、声を聴いて、彼ら彼女らだけでは変えられない、トヨタの仕事のやり方や仕組みを見直してまいります。

私自身が「これはやめる」と決断し、行動してまいります

勝つためです。

皆様にも、徹底的に競争力にこだわっていただきたいと思います。グローバルで勝てるよう、強くなっていただきたい。そう、思います。

それが「チーム・トヨタ」の勝ちにつながる。私は本当にそう思っております。

上も下もない

近次期社長
「トヨタの大番頭」と言われた石田退三さんは「トヨタと仕入先様の関係は、どこまでも一心同体、血の通ったものでなければならない、いつのときでも共存共栄の精神を失ってはならない」という考えを持っていたと学びました。

一方で、「仕入先様との協力一致は、決して、温情と甘えに基づく妥協の産物ではない」とも言っております。

お互いがお互いに、強くなるための行動を求める。そして、ともに強くなる

そのような厳しい関係、開発や生産の現場においては上も下もございません

本気・本音のコミュケーション、そして、私自らの行動で、皆様との信頼関係を築いてまいりたいと思います。

これからも、どうぞ、よろしくお願いいたします。

ともに強くなり、ともに戦いを勝ち抜く。本気・本音で向き合えるプロフェッショナル集団「チーム・トヨタ」を目指し、待ち受ける難局を乗り越えていく。

佐藤社長、近次期社長のメッセージの後には、仕入先とのQAセッションも実施された。そちらの様子は、後日トヨタイムズ記事で紹介する。

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