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空飛ぶクルマ、協業深化にトップの絆 Joby機日本初飛行

2024.11.07

空飛ぶクルマの協業パートナー、Joby Aviationの電動垂直離着陸機が日本の空を飛んだ。ここに至るまでには、トップ同士が深めてきた信頼関係があった。

初対面で語り合った「夢」

2人が初めて会ったのは、20192月だった。2017年からトヨタAIベンチャーズ * による出資でJobyとトヨタの関係は始まっていたが、ここからさらに結びつきが深まっていく。

*シリコンバレーに拠点を置くベンチャーキャピタルファンド。米国で人工知能や自動運転・ロボティクスなどの研究開発を行うトヨタの研究所「TRI(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)」*の子会社。

2日の会見で、ビバートCEOは当時をこう振り返っている。

「章男さんに初めて会ったとき、私の夢について話しました。そして、章男さんは100年前から豊田家が抱いてきた空のモビリティへの夢を話してくれました。移動の変革をもたらすモビリティが日常的に使えるようになる日を夢見ている…と」

このとき、豊田社長(当時)は「空のモビリティの方が、完全自動運転時代より先に来る」「モビリティカンパニーへ変革の布石の一つになると思う」との考えを示し、試験飛行の動画を見て「早く乗りたい」と試乗の機会を心待ちにしていたという。

そこから約1年後の2020年1月、トヨタはJobyeVTOLの開発・生産で協業することを発表。将来的な空のモビリティ事業への参入も視野に、3.94億ドルの出資 * も発表した。

*今年10月にも5億ドルの追加出資を発表。合計で8.94億ドル。

当時のリリースには、豊田社長の「空のモビリティは、未来のモビリティ社会における人々の移動と生活を大きく変革する可能性を秘めており、その実用化はトヨタ創業以来の夢」「今回の協業により、陸だけでなく空にも、移動の自由と楽しさをお届けするモビリティの実現に貢献できることをうれしく思う」とのコメントも載った。

その後も2人は、互いの国を訪れた際に、対話を重ねてきた。コロナ明けの20224月、豊田会長はこんな期待を語っていたという。

「コロナが流行してから、さまざまな拠点をヘリ、クルマ、新幹線を組み合せて移動することが多くなった。その度にJoby 機があったら、生活がどう変わるかと考えるようになった」

「ヘリやクルマ、新幹線などを組み合せての移動をよりシームレスに実現できるようにすること。それができれば完全なゲームチェンジャーになる」

ビバートCEOも、「豊田家は私の生まれる何十年も前から、空に長年取り組んでこられた。その慧眼に敬服。今こそイコールパートナーとしてともに実現させていきたい」と関係を深めていった。

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