2024年はビジネス共創の仲間づくりを加速。片山正則 日本自動車工業会会長が、今年のジャパンモビリティショーの位置づけを語った。
2024年5月23日、日本自動車工業会(自工会)が記者会見を開いた。
その中で片山正則会長(いすゞ)は、今年のジャパンモビリティショー(JMS)開催を発表。
未来のモビリティをつくる仲間の輪を広げた2023年からの流れを継承しつつ「よりビジネスサイドに焦点をあてたものになる」と語った。
スタートアップ150社、事業会社50社が出展予定で、新しいビジネスを生む共創の場になることが期待されている。
開催時期は10月15日~18日、場所は幕張メッセ(千葉県)。なお、今回はSociety5.0*の実現を目指すデジタルイノベーションの総合展示会であるCEATECとの併催になる。
*政府が定めた第5期科学技術基本計画(2016年に閣議決定)で提唱された「サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会」
毎年開催のイベントへ
東京モーターショーから名称を変更し、111万人の来場者を集めた昨年のJMS。
豊田章男 自工会会長(当時)はイベント最終日、マツコ・デラックスさんとの「大反省会」でこう語っている。
豊田会長
一緒に未来づくりに参加する人や、(東京)オートサロンに参加するクルマ大好き運転大好きな人や、ベンチャーやほかのインダストリー…。
いろんな人を集めて開催しようとしたのが、今回なんです。
だから「東京」を「ジャパン」に変えて、「モーターショー」を「モビリティショー」に変えて、第1回目とした。
(中略)
不都合な話もあれば、楽しい話もあるのがモビリティ。
悪い話は少なく、いい話を増やしていきながら、一緒にモビリティをつくっていきましょう」と、この指止まれ大会みたいにしたのが、今回のモビリティショーだったんじゃないかなと思っています。
会見が行われたこの日、自工会は今年のJMSホームページも公開。また会見のニュースリリースには「多くの仲間と一緒に、移動だけでなく、社会課題の解決や新しい価値を創造し、豊かで夢のあるモビリティ社会を創りたい」とある。
第1回目からの想いを受け継ぎ、自工会は今後JMSを毎年開催することも発表した。
昨年のように一般のお客様に未来のモビリティを感じてもらう「乗りたい未来を、探しにいく場」、事業共創を推進する今年の「未来を創る、仲間づくりの場」。
それぞれを毎年交互に実施。表情が変わる2つのイベントで一つのパッケージになるという。
会見では、ビジネスイベントとして3本の柱に注力すると発表。
「新しい仲間づくり」は昨年から継続。スタートアップや事業会社の技術・サービスがブース出展される。
「事業共創の推進」では、スタートアップと事業会社のコミュニケーションの場を会場内・オンライン上でセット。活発な交流とビジネスマッチングを促す。
3本目の柱にあたる「未来モビリティ会議」では、自工会の正副会長が登壇。討論会のような形でモビリティ社会実現に向けたビジョンや課題を語り合う。
片山会長は、昨年のスタートアップ企業によるピッチコンテストが盛り上がりを見せたことを踏まえ、「今度はリバースピッチをやりたい」とも語った。
従来のリバースピッチは、ハードを中心に事業会社が困りごとを提示し、スタートアップや他産業が解決に手を挙げるというものだが、片山会長は「モビリティの新しい社会づくりをどう考えていくかという意味で、事業会社もスタートアップも一緒に共創しよう、心から一緒に課題解決に取組みましょう、という意味でのリバースピッチにしたい」との想いを示した。
業界を越え、モビリティの未来をつくる
このほか、CEATECとの併催について片山会長は「IT・エレクトロニクス産業などの皆さまは、モビリティの価値・体験を拡張させる、たくさんの要素やアイデアをお持ちなので、皆さまとの連携をきっかけに、一緒に豊かで夢のある未来の構築を目指したい」と狙いを語った。
今年のJMSから、どのような未来をつくるビジネスが生まれるのか。今後さらに詳細が決まっていく。