本業とは関係ないように見える取り組みを紹介する「なぜ、それ、トヨタ」。今回は未来のテストハウス!?
V2Hの大きな課題、それは一般家庭での活用例が少ないこと。
電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、FCEVなど、トヨタ車以外も含めて国内外で46車種※がV2Hに対応(2025月1月時点)。しかし台数で言うと日本ではまだ5万台ほど。
※DENSO V2H-充放電器 (DNEVC-SD6075、DNEVC-SD6075S)対応車種数
伸びしろは大きく、近い将来、エネルギーの常識がガラッと変わる可能性もあるのだ。
この植物、知っていますか?
三春の家では、ソルガムからつくったバイオエタノール燃料の使用実証も行われている。「ソルガム?何それ?」と思ったあなた。実は、世の中の常識をひっくり返すかもしれない植物なんです。
トヨタイムズの読者なら、コーンやサトウキビなど、植物から燃料がつくられていることを知っている人も多いだろう。そこで、この図を見ていただきたい。
食物でエタノールを製造していたのが第1世代。今後は、食べられない植物や捨てられる残さでもエタノールを製造できるというのだ。
2022年から本格的に研究を進めているのが、トヨタや多くの企業が参画する次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(以下、raBitラビット)だ。
raBit 中田浩一 理事長
ソルガムは生育が早いので、暖かい地域なら年に3回の収穫も可能。福島のような寒い地域でも年に2回収穫できます。縦に長く伸びるので単位面積あたりの収量量も多く、効率的なバイオエタノール生産が期待されています。
技術的な難しさがあってまだ量産化はできていませんが、今後、世界最高効率の燃料をつくり出せる大きな可能性があります。
福島県大熊町のトヨタの農園では、より大きく育つようにソルガムの品種改良が進められている。ソルガムからつくったバイオエタノール燃料は、今年1月の箱根駅伝でもクルマの燃料として使われたほか、2026年のスーパーフォーミュラでもテスト導入が予定されている。
そして三春の家では、家庭でのカーボンニュートラルを目指して、次世代型暖炉の燃料としても使われていた。
飛行機や船舶など幅広い業界への展開も期待され、海外からの視察も多い。今後は「雑草も燃料にできるかも」と聞き、取材する我々も「うそ!?」と驚いてしまった。
福島の未来は可能性だらけ
あらゆる実証が進む三春の家だが、地元ではどういう評判なのだろうか。震災当時、県外に一時避難していた渡部さんに「正直にどう感じていますか?」と聞くと「あまり知られていないです(笑)」と笑顔で答えていただけた。
そしてこんな話も教えてくれた。「震災当時は水も空気も危険と言われていたなかで、住み慣れた町でエネルギーを安全に自給できるのは理想的。子どもたちに未来の種が撒かれていて嬉しいです」。
三春の家の取り組みを主導するのが、トヨタの社会貢献部のメンバーだ。
松井は「三春の家から発信を続け、県外に転居した方もまた福島で暮らしたいと思っていただけたら嬉しい」と語る。サステナブルな暮らしを実証する三春の家から、どんな未来が生まれていくか。是非ご期待ください。