プロのコートで卒業記念試合ができる! 小学生のミニバスケットボールクラブへ贈った、感動のサプライズ企画を追う。
始まる前から、大人たちもワクワクが止まらない
午後2時30分。森田京之介キャスターは、アルバルク東京のホームアリーナである代々木第一体育館前にいた。
茨城ロボッツとの試合スタートは午後7時35分とまだ時間がある。「ここでちょっとサプライズ企画があるそうなんです」と森田キャスター。
現れたのは、一般社団法人「スポーツを止めるな」共同代表理事の廣瀬俊朗(ラグビー 元日本代表)さん。同団体は「コロナ禍でスポーツや夢を諦めてしまう学生たちを1人でも減らしたい」という思いから始まっている。現在は、次世代アスリートの成長を支援する取り組みをいろいろと行っている。
今回、「スポーツを止めるな」の青春の宝プロジェクトに応募したのは、玉堤ウィザーズという小学生のミニバスケットボールクラブ。
彼らもまた、コロナ禍で思うように卒業試合ができなかったという。「こんな企画が通っていいんですか!?(笑)。本当にすごいですよね」「人生にとって大きなことになるんじゃないかな」と、廣瀬さんも興奮している様子。
ただのアリーナ見学かと思いきや、突然のサプライズ
「アリーナを見学できる」とだけ聞いて入場門に集まった、玉堤ウィザーズの選手たち。ここで、1つめのサプライズが発表される。
それは観客席から眺めるだけではなく、コート際まで近寄ることができるということ。それだけでも、「マジ!?」「えー!?」という声があがる。
いざ体育館に足を踏み入れる子どもたち。まだ観客のいないアリーナとはいえ、すでにBリーグならではの雰囲気が漂う。
「イェーイ!」「めっちゃいい!」「最高・・・」と言い合いながら、子どもたちがコート際まで接近すると会場が暗転。照明と映像の演出がなされ、アルバルク東京・田中大貴選手の姿がモニターに映し出された。
「このコートでみんなに試合をしてもらいたいと思います。その後に僕たちの試合を見て、1日楽しんでもらいたいと思います。今日はみなさん楽しい思い出をつくってください。6年生のみなさん卒業おめでとうございます!」と田中選手。
大きな高揚感は伝わってくるものの、子どもたちはまだ状況を飲み込めない様子でもあった。
アルバルク東京ならではの演出の中、試合スタート
第1試合は小学校1~3年生の紅白戦。サポートMCの たつをさん が、一人ひとり選手紹介をしてから試合開始。
Bリーグの演出と同じく、会場内にはアップテンポな音楽が流れ、MCが試合を盛り上げていく。第2試合は小学校3~5年の紅白戦だ。
そして迎えた第3試合、この春卒業となる小学校6年生 VS OBの中学1年生~高校1年生。
すると、アルバルクチアリーダーの面々が突然入場。メインイベントを前に、本気のパフォーマンスで会場を盛り上げる。
チアが並ぶ花道を、一人ひとりコートインしていくBリーグならではの仕掛けも用意。この演出には、子どもたちも満面の笑顔だ。
試合後にさらなるサプライズも
試合後、控室にいた子どもたちに、さらなるサプライズとして吉井裕鷹選手が登場。
「おぉぉぉ!!!」「吉井選手だ!」の声の中、子どもたちからの質問に真摯に答える吉井選手。終始和やかな時間が流れていく。
アルバルク東京 林邦彦社長からも挨拶があり、「ここで試合ができたのはアルバルクのおかげではないです。皆さんにこの機会を与えてくれたのは、関係者の皆さん。1人の力でやれるというのは本当に限界があると思う。人のために何かをしよう、ということを忘れないでほしい」と、感謝の大切さを伝えた。
最後に、吉井選手からサイン入りミニバスケットボールなどのプレゼントも贈呈された。
「楽しみたい時期を、コロナという形で終わってしまったケースが多かったので、こういった機会を増やせることは、僕自身も嬉しく思います」と吉井選手。
「最初はバスケットができる場所を貸していただけないか、ダメ元で聞いたんです。そうしたら想像以上の(ものになって)、素晴らしい舞台で試合ができたことは、一生の思い出になると思います」(応募した保護者)
「多分人生で1度しか起きないことなので、本当に感謝しかないです」(玉堤ウィザーズ リャオ・カイシャン キャプテン)
スポーツを止めるな、アルバルク東京など、多くの人たちの支えで大成功を収めた今回のサプライズ企画。
子どもたちの笑顔をぜひ動画でご覧ください。
なお、サプライズ終了後は、みんなで茨城ロボッツ戦を観戦。
その日は、奇しくもアルバルク東京がホームゲーム18連勝となり、Bリーグ新記録を樹立した日ともなった。