11年間、厳しく接してきた。それでも、地道な努力を続けてきた。従業員の頑張りに触れ、豊田は声を詰まらせた。
「ひとりも勝たなかったら、この国はどうなるのでしょうか」。販売店や仕入先の不満を懸念した声に社長の豊田が答えた。
市場低迷の中、本当に「国内生産300万台体制」守っていけるのか? 現場たたき上げの「おやじ」が答えた。
社長の豊田が持ち出したのは、ロバを連れて歩いても、ロバに乗っても批判される夫婦の話。株主総会で、なぜ?
執行役員の小林耕士は若き日の豊田章男の「鬼上司」。「大企業トヨタ」と闘ってきた豊田の足跡は涙なしに語れなかった。
議長席に立った豊田社長が就任11年の歩みを振り返る。株主総会だからこそ語られた、胸の内とは。