「下山テストコース」【モリゾウのつぶやき】

2019.06.27

新たにできたテストコース。第1、第2が未完成の中、第3周回路、通称・カントリー路がまず出来たその意味は?

こんにちはモリゾウです。
トヨタテクニカルセンター下山シモヤマという新しい開発施設が、先日、オープンしました。
といっても、まだ、ほんの一部しか出来あがっていません。
その一部というのが「第3周回路」というテストコースです。

「第1」も「第2」も、まだ出来ていませんが、「第3」が真っ先に出来上がりました。

決して、第3周回路が、つくりやすかったから、先に出来上がった訳ではありません。
どの道も重要なのですが、この道を一番先につくりたかったという“意志を持って”の第3周回路です。

何が、第1で第2で第3なのか? トヨタにおいて、これは単なる順番ではないんです。

第1周回路は、一番長い直線を持つオーバル型のコースにつけられる名称です。
北海道にあるテストコースの第1周回路には5キロくらいの直線路があります。

第2周回路は、直線だけでなくバリエーションに富んだ道も含む周回路。
そして、第3周回路は、別名カントリー路と言われる道です。

・・・と、だいたいの内容を説明しましたが、なんで、そんなネーミングがずっと踏襲されているかは、実はモリゾウも良く分かっていません。(笑)

このカントリー路とは、登り坂、下り坂、右コーナー、左コーナーなどが組み合わさった道のことで、まさに田舎の山道のような道のことをいいます。

下山には、全長5.3キロ、高低差75メートルのカントリー路が出来上がりました。
これは、長さも、高低差も、だいたいニュルの4分の1。

下山の地形を活かしながら、今までニュルで学んできたノウハウが活かせるように、テストドライバー達にも道づくりに参画してもらって、コースを完成させました。

ニュルの経験を活かしたのは“道のつくり”だけではありません。

ニュルでは、日本でテスト走行を重ねたクルマでも、少し走っただけで不具合が出てきます。
不具合が出たら、すぐにクルマをピットに戻して修理をして、また走らせる。
それを繰り返し、クルマは鍛えられていきます。

下山でも、そんなクルマづくりが出来るように、道の脇に車両整備場を併設しました。
6月からは、テストドライバー達の職場が、
ここに移り“走っては直す、走っては直す”を繰り返すクルマづくりが始まっていきます。

トヨタテクニカルセンター下山

テストコースというと“開発のためのデータを取る道”という意味合いが、今まで、トヨタでは、強く意識されてきていました。

だからこそ、テストコースに社外の人を招いたりすることにはとても慎重で、以前、テレビ番組でマツコ・デラックスさんに東富士研究所に来ていただいた時も、テストコースのシーンは、周りの景色から路面まで、全てにボカシを入れていました。
放映された番組では、まるで深い霧の中でクルマが走っているような映像になってしまったことを覚えています。

でも、今回つくったのは「もっといいクルマをつくるための道」。
言い換えれば「クルマを鍛えるための道」「クルマをあえて壊すための道」。
そんな意味合いの道づくりをしてきました。

なので、この道のことは、逆に、多くの方に知ってもらいたいと思い、「この道は隠さないでいこう」「オープンにしよう」と決めました。

この道の存在を通して、「道がクルマをつくる」という、成瀬さんに教わり、ニュルで実践してきた想いを、多くの方に知っていただけたらと思っています。

そんな下山第3周回路に、モリゾウもやっと走りに行くことができました。
激しいアップダウン、先が見えないコーナーの連続…たしかにニュルを走っているかのような感覚を得られる道になっていました。
ここで、“もっと安心して乗っていただけるクルマ”、“もっと乗っていたいと思っていただける味のあるクルマ”をつくっていければと思っています。

走ってみた道の感想は? これは、なかなか言葉では表しきれません。
というわけで、ぜひ、この映像を見てみてください。

谷口さん、脇阪さんが、“コースの特徴”、“この道をつくった意味”そして“スープラのインプレッション”を素晴らしい運転と、楽しい会話でまとめてくれました。ありがとう。

おかげ様で、モリゾウが、文章を書く手間が省けました。

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(↑モリゾウの工数削減を実現してくれた寿一へのお礼です。谷口さんへのお礼は…また、考えておきます!)

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