11月21日から24日まで開催されたラリージャパン。最後まで競い続けたトヨタとヒョンデ。その翌日、こんな新聞広告が掲載された。
11月21日から24日にかけて開催されたWRC最終戦のラリージャパン。シーズン最終戦が日本で開催されるのは今年で3年目。昨年までとは異なり、今年はTOYOTA GAZOO Racingが首位のヒョンデを追う立場で最後の地元ラウンドを迎えた。
木曜日から始まったラリー。日曜日の朝まではヒョンデが優勢。マニュファクチャラーズチャンピオンはヒョンデに決まったかと思われた。
しかし、最終のパワーステージでトヨタが上位を独占してポイントを大量に獲得。奇跡的な逆転チャンピオンにトヨタが輝くという大興奮の展開で幕を閉じた。
翌月曜日の朝、ハングル文字も混じるメッセージ広告が新聞各紙に掲載された。署名はTOYOTA GAZOO Racing WRT 豊田章男。MORIZOのサインも入っている。
最終戦のラリージャパンまで
チャンピオンをかけて
競えて楽しかったです
ファンの皆さまにも楽しいラリーを
見ていただけました
来年もいい勝負しましょう
정의선 회장과 현대자동차 여러분
진심으로 축하합니다.
訳:鄭義宣(チョン·ウィソン)会長と現代自動車の皆さん、心からおめでとうございます。
Kiitos!
TOYOTA GAZOO Racing
訳:ありがとう!TOYOTA GAZOO Racing
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team
豊田章男/MORIZO
ラリージャパンを終えて、モリゾウから鄭義宣(チョン・ウィソン)会長をはじめとするヒョンデの方々へのお礼が含まれたメッセージである。
ヒョンデとトヨタの両社は、ラリージャパンを控えた10月、韓国でモータースポーツのイベント「Hyundai N x TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL」を共同開催した。
このイベントには、モリゾウと鄭会長も出席。鄭会長もその場で、「トヨタと共にレースの分野でも、より多くの方々がドライビングを楽しんでいただけるように努力します」と語り、モリゾウと握手を交わした。
ラリーで競い合うヒョンデとトヨタだが、未来のモビリティ社会をつくる仲間同士でもあり、アジアからモータースポーツを盛り上げる仲間同士でもある。そんな2社のトップの思いをつなげる新聞広告がラリーの興奮冷めやらぬ翌朝に掲載されたということだ。
ヒョンデには高性能ブランドHyundai Nがある。この“N”にはニュルブルクリンクの頭文字の意味も含まれているという。一方、TOYOTA GAZOO Racingの高性能モデルGRMNも、最後の“N”にはニュルブルクリンクの意味が含まれている。
以前、GRカンパニーの高橋智也プレジデントが、GRヤリスでのニュルブルクリンク耐久レース参戦に言及していたことがある。ラリーの現場だけでなく、サーキットでも、両社がモータースポーツを盛り上げていく姿が今後見られるかもしれない。