2023年12月、1本の動画が公開された。作成したのは英国トヨタ。トヨタの歴史を光と音で紡いだこの映像は、どのようにして生まれたのか。
まずは皆さんにこちらの動画をご覧いただきたい。
これは2023年12月、英国トヨタがYouTubeに公開した動画だ。織機から自動車、さらにはモビリティ・カンパニーへと変わろうとするトヨタの歴史をプロジェクションマッピングで表している。
制作に使用されたエネルギーは、ほぼすべてがグリーン水素由来。クリーンエネルギーを用いて、トヨタの歴史を紹介すると共にカーボンニュートラルへの挑戦を表現した。
この動画の舞台となったのが、トヨタとも縁の深いプラット・ブラザーズ本社と工場(以下プラット社)だ。
変革の象徴
かつて世界的な繊維機械メーカーだったプラット社は、1929年に、豊田喜一郎が「G型自動織機」の特許権を譲渡したことで知られている。
この契約締結のため、喜一郎は米国経由で渡英。その際に自動車工場や工作機械を調査し、日本における自動車事業の必要性を改めて認識した。
かつて繊維産業で栄えたオールダムにあった社屋と工場は、1982年にその歴史を閉じている。だが、ここで行われたであろう特許権譲渡契約が、その後のトヨタに大きな影響を与えたことは想像に難くない。
映像制作の中心を担った英国トヨタ社長(撮影当時)のアグスティン・マーチンとマーケティングディレクターのスチュアート・サンダースは、メイキング映像の中で次のように語っている。
アグスティン・マーチン
「チャレンジ」はトヨタの社風の重要な柱の一つだ。議論のための議論をするのではなく、織機から自動車へと転身することも、何でも可能だという信念がある。
スチュアート・サンダース
その哲学は過去のものとはなっていない。今も「革新」の精神は鮮やかに燃え続けている。社会のため、より高い使命のため、さらなるチャレンジが続いている。ここから始まったチャレンジが何世代も引き継がれていく。
「継承と進化」へとつながる流れだね。
トヨタイムズでは今回、この2人に、トヨタ自動車のフィリップ・クレイヴァン取締役も交えたメイキング映像も紹介する。日本語字幕機能をオンにしてご覧ください。
契約締結から約1世紀を経て、仲間たちが光を当てた変革の歴史と挑戦。ぜひ本編とメイキング合わせてご視聴を。