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「豊田への37の質問」 ~米国で伝えたかったこと~

2019.04.05

社長として、マスタードライバーとして、時には創業者の孫 豊田章男として、日本語と英語で答えた37問

2019年3月15日、米国の首都ワシントンDC。社長の豊田は600名を超えるオーディエンスの前に立っていた。米政財界の有識者たちが参加する「The Economic Club of Washington, D.C.」のイベントにゲストスピーカーとして招かれたのだ。

「The Economic Club of Washington, D.C.」のイベントの様子

同クラブの会長であるデビッド・ルーベンステイン氏(米金融大手カーライルグループ創業者兼会長)からの紹介を受け、始めに豊田は、米国におけるトヨタの歴史や、自身も米国から多くを学んだ人間であることをスピーチで伝えた。

続いて行われたのは、ルーベンステイン氏とのQ&Aセッション。

豊田がワシントンでメッセージを発信するのは、2010年の大規模リコール問題で公聴会の証言台に立った時以来のこと。あれから9年という時間が経過し、新たな潮流として保護主義的な議論が拡がる今、豊田が米国の人々に伝えたかったのは、「感謝」の気持ちだった。セッションの中で、以下の様に述べている。

<米国への感謝>
「まず、私はアメリカが好きです。日本を除けば、どこの国より長く住んでいます。長年トヨタを支えてくださっている販売店や仕入先に感謝していますし、誇りに思っています。それなのに、なぜナショナルスレット(安全保障の脅威)と言われているのか、大変心が痛んでいます。こういう会話は早くなくなってほしい。一つだけ約束するのであれば、どんな方向になっても、トヨタはこの国に残っていきたいと思います」

「私個人としては3つのことにとても感謝しています。まず、アメリカのお客様が長年に渡りトヨタ車・レクサス車をご愛顧くださっていることに対して感謝しています。また、私たちを支えて下さっている販売店や仕入先に感謝しています。そして、私たちの工場などを受け入れて下さった州にも感謝しています」

百戦錬磨の司会者

今回のハイライトは他にもあった。

ルーベンステイン氏は、数多くの政財界トップとインタビューを行ってきた百戦錬磨の司会者でもある。日本から来た経営者の瞬発力を試すように、合計37問にも及ぶ様々な質問を投げ続けたのだ。豊田もまた、日本語と英語を織り交ぜながら、次はどこから来るか分からない質問に対し、反射神経で返していく。
トヨタイムズでは、読者の方々に、日本語訳で楽しんでいただこうと試みたものの、二人の言葉の駆け引きやエコノミッククラブの聴衆が作りだす現場の空気感を、どうしても文字だけで表現することができなかった。
ぜひとも、こちらの動画(日本語字幕)をご覧いただきたい。

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