2024.05.20
2019年からJAXAと研究開発を開始した「ルナクルーザー」。厳しい月面環境を走るために込められた4つのコア技術に迫った。
トヨタがJAXA(宇宙航空研究開発機構)とともに研究を進めている、月面探査活動用モビリティ、有人与圧ローバ(トヨタでの愛称「ルナクルーザー」)。過酷な走行条件や激しい気温変化の中での探査のカギについて、番組では4つのコア技術や、それらに関わる開発陣の想いを紹介。
1つはオフロード走行だ。タイヤがそれぞれ単独で方向を変えることができるため、通常のブレーキが利かなくなった際にはタイヤを「ハの字」にすることで車体を止めることができる。そして驚くほど小回りが利き巨大な車体でも障害物を細かく避けて走行することが可能。また、タイヤの速度などもそれぞれで調整が可能なため、おが屑のように細かくふわふわとした月面の砂の上でも難なく走行できる。
このようなオフロード走行を含むコア技術(オフロード自動運転、User Experience(居住性など)、再生型燃料電池(RFC))を、ルナクルーザーの開発に活かしていく。それぞれの技術を富川悠太が体を張ってレポートしているので、ぜひチェックしていただきたい。
世界が注目する月面探査への挑戦は、トヨタだけでなくさまざまな企業が連携してオールジャパンで進んでいく。さらに、そこで得た知見は、地球上のクルマづくりにも活かす。
ルナクルーザーの研究開発の意義について、先進技術開発カンパニーの井上博文プレジデントは以下のように語る。
「今回、自動運転やRFCなど地球のクルマにある技術を拡張して、(月面という)より厳しい環境で使用することで、地上での技術へ還元することができると理解している。」
「トヨタと宇宙」。一見すると意外な組み合わせ。だがこれも確実に「もっといいクルマづくり」へつながっていく。挑戦を続けるルナクルーザーに、ぜひご注目いただきたい。