プロフィギュアスケーターの宇野昌磨さんが生出演し、大盛況となったアイスショー「Ice Brave 新横浜 Special Edition」をたっぷりと振り返ってくれた。さらに、この生放送で続編の発表をおこなうなどファン注目の内容となった。
4月3日のトヨタイムズスポーツは、宇野昌磨さんが生出演。自身がプロデュースしたアイスショー「Ice Brave 新横浜 Special Edition」を振り返った。
現役時代から常に本音で語ってきた宇野さんは、自分の演技の映像にダメ出しをしながらも、仲間やファンには感謝の言葉。誰かのためにショーを作る側としての、意識の目覚めを感じさせた。
続編となる「Ice Brave -A TURNING SEASON-」の開催決定も生発表!
宇野昌磨が再始動、目覚めのスタジオ生出演
プロフィギュアスケーターとして宇野さんが初めて企画・プロデュースした「Ice Brave」は、2025年6月にスタート。愛知・福岡・新潟で9公演、11月からは「Ice Brave 2」が京都・東京・山梨・島根・宮城で16公演を実施した。今年2月1日には、集大成となる「新横浜 Special Edition」で千秋楽を迎えた。
約2カ月間、表舞台に出るのはゲームのイベントぐらいだった宇野さん。季節が変わり4月を迎え、「Ice Brave」に向けて再び動き出した。
この日は起床して3分で家を出てスタジオ入りした宇野さんは、リハーサルでも眠そうだったという。Bリーグ・アルバルク東京のマスコットキャラである「ルーク」を、「僕も普段こんな目をして」と言いながらPRしていた。
生放送中はファンからチャット欄に絶え間なく応援コメントが寄せられ、引き続き「Ice Brave」の仕事が控えていた宇野さんにとっては、冬眠明けの目覚めのウォーミングアップにはちょうどいい番組となった。
今夏に続編「Ice Brave -A TURNING SEASON-」が開催!
宇野さんの次の挑戦となるアイスショー「Ice Brave -A TURNING SEASON-」は、7月31日から8月2日まで愛知で4公演、8月8日から11日まで東京で6公演が予定されている。最速抽選先⾏は4月13日23:59まで受付しており、詳細や今後のチケット発売については Ice Braveの公式サイトから。
キャストは「Ice Brave 2」と同じ、気心の知れた8人のスケーター。内容については「絶賛会議中」とのことだが、アイスダンスの新しい演目については準備が進んでいることが、宇野さん自身の口から明かされた。
「名前の通りターニングシーズンということで、もう1 歩先に、もちろん現役(当時)のプログラムも多少あるかもしれませんけれども、自分の今の想定では新たな演目をたくさん入れつつ、 ただやっぱり、このIce Braveを 1・2と、このメンバーでやれてこれたことが僕は一番うれしかったというか、大事にしたい部分なので」
また、「Ice Brave 新横浜 Special Edition」をドローンカメラなどで撮影した劇場版 Ice Braveが、全国46の映画館で4月16日まで、YEBISU GARDEN CINEMAで4月24日から5月6日まで上映されることも発表された。詳細は公式サイトへ。
仲間と一緒に作り上げた公演
特集のメインは、「Ice Brave 新横浜 Special Edition」の実際の映像を見ながら、事前にファンから寄せられた質問に宇野さんが答えていくという企画。まずは公演を支えた仲間のキャストによる演目を生解説した。
中野耀司さん、櫛田一樹さん、佐藤由基さんら男性キャストによる「Bad Boy Good Man」は、宇野さんが2012・13年にエキシビションで滑っていた演目。「3人がこの曲にすごくマッチして、お客さんとコンタクトを取りながら」と解説し、中野さんが見せるバックフリップ(後方宙返り)に「僕も練習でちょっと挑戦したんですよ、本当に難しくて」と明かした。
本郷理華さんのソロの演目「Riverdance」については、最初はジャンプで苦戦していた本郷さんが日に日に成長していった姿を称えた。宇野さんが11歳の頃の演目で、「当時自分が滑っていた映像を見るんですけど、すごい自分が小さくて、あの頃は可愛かったなって」と懐かしんだ。
「練習は皆さん大変なスケジュールとかもあったと思うんですけど、僕の中では挫折とか苦しい時期がなかったからこそ、Ice Braveが終わる瞬間はやり切ったというか、本当に作って良かったなという感情が全面的に出て、仲間たちが涙を流してくれた姿を見ていると、やって良かったと強く感じる機会になりましたね」
アイスダンスは「シングルの時よりも緊張」
コーチを務めたステファン・ランビエル氏と共演した「Gravity」は、世界選手権で連覇を決めた演目。素人目には息ピッタリの演技に見えるが、一緒に練習する時間は非常に少なかったという。「スイスからわざわざ日本に来てくれて、1個1個の振り付けを熱量高く、本番が始まるギリギリまで練習してくれて、その想いに僕はすごく熱かったです」と、師弟の絆について語った。
本田真凜さんとの「Four Seasons四季『冬』」は、プロになって挑んだアイスダンスの演目で、新横浜で初めて披露した。一人なら取り返せるミスでも、パートナーのコースを邪魔する可能性があり、「アイスダンスのトップで戦っている人たちのすごさを実感しました。シングルの時よりも緊張していましたし。勝手をあまり知らないからこそ、無事最後まで滑り切れた時は熱い思いでした」と振り返る。
ペアやアイスダンスの種目では、りくりゅうペアのように男女の体格にギャップがあるのが一般的。宇野さんは「僕がアイスダンスをめっちゃ経験して超ムキムキだったら安心じゃないですか、『落とさないだろう』みたいな。(真凜さんは)大変だったと思う」とパートナーを気遣った。一方で演目では、真凜さんが宇野さんを支えるリフトも披露するなど、このペアならではの新境地も十分に見せていた。
“公私混同”が生んだ連鎖反応
番組では、公演での宇野さんのMCの進化についても振り返った。
「僕の中で嫌な言葉があります。“公私混同”です。この言葉は悪く使われがちだと思うんですけれども、今日のパフォーマンスは間違いなく“公私混同”していました。でもですよ。それが僕はすごくいいパフォーマンスだと思いました。僕たちのチームメイトの仲の良さだったり雰囲気の良さが、少なからず本当にいい形で今日の公演に出ていたと思います。こうやって皆さんが大きな拍手、大きな歓声、温かい空気感を作ってくださったからこそだと思います。ありがとうございます」と述べた、新横浜での千秋楽公演でのMCは49:07から。
ファンへの感謝の言葉について、宇野さんは「基本的にMCタイムって、全部本音でしゃべっているんですよ。本音っていうのがちゃんと伝わるようにしゃべりたいと思って。 感謝の言葉を述べるって大事なことではあるんですけど、同じ『ありがとう』でも、本当に『ありがとう』って思っていなかったら出てこないし。ああいう言葉が出てくるのは、見に来てくださる人とか、会場の雰囲気、そしてチームメンバーがその言葉を引き出してくれているだけなので」と説明する。
宇野さんのMCに共鳴したのが、ショーを観に来ていた豊田章男会長。「ずっとシングルで戦ってきたでしょ。それが(今は)チーム。本当になんかいいチームで“公私混同”だったから、それがいい連鎖をしたのかなと感じます。いいものを見せてもらった」と語った。
自分以外の誰かのために、宇野が宇野に期待する理由
Ice Braveの開催が決まった約1年前、豊田会長は宇野さんに「今度からは自分じゃなくて誰かのための仕事です」 というメッセージを送っていた。
この言葉について、宇野さんは「僕にとってはすごい刺さるというか、いろんな経験をしたうえで、やっぱり核心を突く言葉だったなと感じますよね。(現役で)競技をやっている時は、結局戦うのは自分ひとりであるし、自分がどうしたいかが主導になってくるんですけど。こうやってアイスショーとなった時に、もう完全に自分ではないなっていうのが、この1年Ice Braveを通して感じた部分で、誰かのためにやる仕事というのが」と振り返る。
ショーの作り手や座長としての意識に目覚め、宇野さんがこの1年間で表現者として成長したことを感じさせる。
もちろん、生配信などで見せる独特の“宇野節”は健在。豊田会長との対面の映像を見て「なんか僕金髪の方が似合うかもしれないです」とコメントしたり、アイスダンスの曲「四季」を選んだ理由を聞かれて「僕たちが四季を選んだのではなくて、むしろ向こうから僕たちを選んでくれた」と答えたり。ファンの「褒めてくださいw」というリクエストに、期待通りのスカしを見せたりするなど、ぜひアーカイブ全編を見返していただきたい。
自身の演技について自己評価が厳しく見える理由について、宇野さんは「自分自身にちゃんとここだけはやって欲しいっていう思いがある」からこそ、それを包み隠さず言葉にしてしまうそうだ。
だからこそ、ファンとしては次にどんな成長を見せてくれるのか、期待せずにはいられない。宇野さん本人も“自分”を超越した目線で、誰かのために滑る宇野昌磨についてこう語る。
「僕はね、彼に期待してるんですよ。彼はもっと頑張れるって思ってるからこそ、これからも頑張ってほしいですね」
毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズスポーツ。次回(2026年4月10日)は、女子ソフトボールを特集する。JDリーグの4連覇に向けて始動するレッドテリアーズを取材し、新戦力や新キャプテンなど、今年のチームの見どころを紹介。放送当日の18:00にプレーボールの開幕戦に向けて、臨戦モードで直前情報をお届けする。ぜひ、お見逃しなく!