連載
2020.09.26

「かけがえのない一日」 ~合格祝いの花束篇~

2020.09.26

今回の「合格祝いの花束」篇ではクルマの定期点検でご来店されたご家族と販売店スタッフとの、数分間の会話から生まれた特別な瞬間を紹介する。

いつものお客様との間で生まれた、特別なエピソード

「かけがえのない一日」シリーズでは、「ありがとうございます。今日もまた、かけがえのない一日でありますように。」という豊田章男の直筆での宣言篇以降、お客様からトヨタに寄せられた販売店スタッフとの実話を紹介している。

今回の、合格祝いの花束篇ではクルマの定期点検でご来店されたご家族と販売店スタッフとの、数分間の会話から生まれた特別な瞬間を紹介する。

日常会話からの、まさかの花束

それは、クルマの定期点検で販売店を訪れた、あるご家族の出来事。点検が終わるまですこし時間がかかることもあり、代車を借りることになった。代車が用意されるまでの間に販売店スタッフと分ほど話をする中で、最近お嬢さんが高校受験で見事、志望校に合格されたことが話題に上がったという。いつもと変わらないちょっとした立ち話だ。

その後、代車で家族揃って時間ほどお出かけを楽しみ、点検が終わる頃に販売店に戻った。すると、高校の合格祝いメッセージを添えた花束がサプライズで用意されていたのだ。

まさかのプレゼントを受け取ったお嬢さんはもちろん、ご家族の皆様にも喜んでいただけたという。なんでもないクルマの点検日が、家族にとって忘れられない一日になったのだ。

すごくいいことをした、とは思っていない

櫻井さん

このサプライズを考えたのが、レクサス豊中(大阪府)の櫻井さんだ。ご家族が代車で出発されてすぐに「何かお祝いできれば」と思い、当時同じ店舗に勤めていた片桐さんと相談し、お店の近くの花屋さんに「お嬢さんの合格祝い」であることを伝えてアレンジメントの花束を作ってもらったという。

このご家族との付き合いは長く、出会った当初は小学生低学年だったお嬢さんも、今では櫻井さんの身長を追い抜かすほどに。「お姉ちゃん」と親しげに呼んでくれるお嬢さんの嬉しいニュースは、櫻井さんにとっても嬉しいニュースだった。

「合格おめでとうございます」と手書きのメッセージを添えた白やピンクの可愛らしい花束を用意。お渡しするまでは喜んでいただけるか不安だったというが、無事サプライズは成功。自身も子育て中の櫻井さんは「自分自身が何かしてもらうより、子供に何かしてもらえるほうが母親としては幸せだし、印象に残る」と語り、お嬢さんだけでなく奥様が特に喜んでいらっしゃったことが嬉しかったという。

このエピソードはお客様から感謝のメッセージとしてトヨタに届けられ、櫻井さんは「気持ちが伝わったようで良かったです」と話す。だが、「すごくいいことをしたとは思っていない」という。クルマの販売ではなく、常にお客様の人生をサポートすることを考えている櫻井さんや片桐さんにとっては、ごく当たり前の行動だったのだ。

機械ではなく、人間だからできることを

このお店にはご年配のお客様も多く、クルマの機能説明の話し方ひとつをとっても相手のことを想い、伝え方を工夫。また、暑さへの配慮や足元への注意喚起など、天候によってお客様へのお声がけも変えている。

櫻井さんは「型にハマりすぎないことが大切」だと話し、片桐さんも「この仕事はクルマを通じて、プライベートな部分まであらゆる形でお客様のお役に立てる」と話す。普段の意識の違いが、細かな言動の違いにつながり、かけがえのない一日は、こうしたかけがえのない一瞬一瞬の積み重ねでできているのだ。

片桐さんは自身の結婚の際に、お客様からメッセージとプレゼントの品をいただいたという。まさかお客様側からお祝いをいただけるとは思いもせず、改めてこの仕事は、クルマを通じて付き合う以上の感動を与えることができるのだと、逆の立場でも実感できたと話す。

櫻井さんは「今回の花束のエピソードのように、お客様の人生に携われることは本当に幸せなこと。今後も機械ではなく、人間だからできることを大切にしていきたい」と話してくれた。

片桐さん(写真右)

お客様の幸せを、まるで自分の幸せのように感じる櫻井さんや片桐さん。シリーズで続く「かけがえのない一日」は、相手の気持ちを想い、目の前のお客様のために自分にできることを考え実践する、そんなトヨタの販売店スタッフとお客様との間で生まれた実話を今後も紹介していく。

oneandonly_5_4.JPG

RECOMMEND