お客様と販売店スタッフとの実話を紹介。「ヴォクシーからの手紙」、お客様に喜んで頂きたい、という一人の販売店スタッフの深い想いが込められていた。
目の前の一人一人のお客様を大切にする
どれだけ時代が変わってもトヨタが変わらずに持ち続ける「お客様第一」の想い。1969年、2007〜09年の2回にわたって新聞広告でシリーズ掲載された「かけがえのない一台」では、トヨタのセールスマン、新型車の開発者、販売店のスタッフが登場し、さらによいクルマをつくるため、目の前の一人一人のお客様のために仕事に取り組む姿勢を伝えた。時は流れ2020年。人とクルマの関係性、生活スタイルにも大きな変化が起きる中、それでもやはり、トヨタの「お客様第一」は決して変わらない。さらにクルマの話にとどまることなく、人の毎日の生活にまで寄り添いたいという願いを込めた「かけがえのない一日」として、6月27日にシリーズが再スタートした。
豊田章男の直筆で「ありがとうございます。今日もまた、かけがえのない一日でありますように。」とメッセージを載せた宣言篇に続き、2回目以降は、お客様と販売店スタッフとの実話を紹介。7月26日、全国の新聞朝刊に掲載された「ヴォクシーからの手紙」篇には、お客様に喜んでいただきたい、という一人の販売店スタッフの深い想いが込められていた。
思い出の詰まったクルマと、子供たちの涙
数年前のある日、ネッツトヨタ郡山いわき店での出来事。長年ヴォクシーをご愛用いただいたご家族が新しいクルマへ乗り換えにいらっしゃった。すると、家族の思い出がたくさん詰まったヴォクシーとの最後の別れに、小学生のお姉さんと弟さんがボロボロと涙をこぼされたという。
2人にとっては新しいクルマに乗る楽しみよりも、何年も大切に乗り続けてきた愛車がまさに家族の一員のように思え、お別れすることが辛かったのだ。
その姿を目の当たりにし、何かできることはないかと考えた販売店スタッフは、後日2人のお子様のために「僕は新しいクルマに生まれ変わったから、これからも一緒にいろんなところへ遊びに行こうね。」と手紙を書いたのだった。
セールスマンじゃなくていい、喜んでもらうことが大切
この手紙を書いたのが、現在はネッツトヨタ郡山 勿来(なこそ)店に勤める大橋氏だ。話を聞くと「セールスマンでなくていいと思っている」という言葉が出た。「クルマを売ることが目的ではなく、お客様に喜んでいただけることが嬉しくて、そのために小さなことでも何かお手伝いをしたい。」と語る。
「手紙を書く」という行動も、お子様が泣いて帰られてから何かできることはないかとずっと考えた結果、生まれたそうだ。同僚の女性スタッフにも相談し、小学生のお子様が喜んでくれそうな便箋を探し、丁寧に洗車してキレイにしたヴォクシーの写真とともに、自らの名前は書かずヴォクシー本人から手紙が届いたように工夫。お姉さんと弟さん、2人それぞれに手書きでメッセージを書いたという。
このお手紙を出して以降、「2人のお子様は元通りの元気な顔でご来店されるようになり嬉しいです」と大橋氏は笑顔で話す。
東日本大震災では、地元の小学校に物資を
ネッツトヨタ郡山がある町は、東日本大震災で多くの人が被災した。そんな中、大橋氏は率先して地元の方が避難していた小学校に物資を届けていたという。その際に出会った子供たちからは親しげに「ネッツの人」と呼んでもらえる関係に。
また、「普段お店はご家族でいらっしゃる方が多いのですが、お子様にも退屈せず過ごしてもらえるよう工夫するのも仕事の楽しみ。子供から、大橋さん!と名前で呼んでもらえるとつい笑顔になってしまう」と語る。常日頃から人に喜んでもらうことをしたいと話す大橋氏らしいエピソードだ。
お客様に「ありがとうございますと感じるのはどのような時か?」と尋ねてみると、「時間をさいてお店に来ていただけるだけでありがたいです。時には手土産をもって来てくださるお客様もいらっしゃり、ありがとうございます、を通り越して申し訳ございませんと感じます」と話してくれた。
普通ならクルマを引き渡した時点で仕事は終わっているにも関わらず、愛車との別れを悲しむ2人のお子様のために「自分にできることは、まだないか?」と考え抜いた大橋氏。販売台数を増やすためでも、他店を成績で上回るためでもなく、目の前で涙を流す小さなお客様を想い、その幸せを願うことで生まれたエピソード。「かけがえのない一日」シリーズでは、お客様の毎日に寄り添う全国の販売店スタッフの実話を、今後紹介していく。
「かけがえのない一日」ヴォクシーからの手紙篇は、新聞広告だけでなくラジオCMでも展開されている。