トヨタ春交渉2021 #2 働きにくさの壁を、壊せ

2021.03.03

【両立者・キャリア人材】のさらなる活躍

続いて、育児や介護と仕事を両立する組合員の話へ。ここでも活躍を阻害される要因についてリアルな悩みが紹介された。

「時短勤務だと上司から使いにくいと思われる」「過度に業務配慮されることで成長実感を得られない」といった声である。

さらには、中途採用のキャリア人材の悩みの声も。「入社後、突然異動になった」「トヨタに長くいる人しかわからない暗黙知がある」など、前職で培ってきた専門性を生かせないとの声である。

人材の多様化が進む時代、社員一人ひとりを取り残さず、いかにやりがいを感じられる環境をつくるか。会社と組合で、継続して話し合っていくことが約束された。

その後、経理本部の近執行役員から「YOUの視点」の大切さについて話が出た。

近執行役員

550万人には、多様な人たちがいて、その人たちに「ありがとう」と言ってもらえることが、我々にとっての成長だと考えると、社内の多様性は本当に重要なことです。

550万人への「YOUの視点」を持つために、我々が彼らから何をしてもらっているのか自覚しなければならないと感じています。

近執行役員

話し合いも終盤に差しかかり、組合から会社に対し、本日の議論を象徴するような、あるアンケート結果について紹介がなされた。

組合・小野副委員長

昨年、若手の有志と一緒に「成長」をテーマとしたアンケートをとりました。

20代の組合員中心に、1,000人以上が回答をしましたが、本日の議論を象徴するような内容でした。

約7割の若手がトヨタの業務を通じて「成長を実感している」と回答する一方で、このままでいいのかという不安を感じていることもわかりました。

不安の内容には、まだまだ自分自身が未熟であると認識した上で、年次や資格で人を見がちな風土、昇格こそが会社で働く上での幸せという支配的な価値観、ITリテラシーや情報格差、ダイバーシティ等における上の世代とのギャップなど、ほぼ今日の議論と同じ内容が並んでいます。

逆に成長を感じるときについて問うと、「誰かの役に立っていると実感できるとき」という回答がほとんどでした。

これは、若手だけでなく、職種、資格、年齢、入社形態を問わず、多くの組合員から聞かれます。マネジメントの方も同じなのではないかと思います。

誰かに必要とされ、自分の能力を存分に発揮し、誰かの役に立てる。育児や介護に向き合いながらも、能力や技能を高められる。それが正当に評価される。

その実現に向けて、各職場や労使でも議論をさせていただき、550万人の仲間に貢献すべく、できることから即実行していきたいと感じました。

そしてここで、会社から具体的な方針が語られる。

桑田執行役員

前回、社長から「トヨタで働く人の幸せについて考えていこう」という話がありました。

550万人の方々と一緒にやっていくために、「幸せの量産」をミッションに掲げるトヨタで働く人の幸せとは何かということだと思います。

「単に給料をもらえたらいい」は、「トヨタの人」ではありません。「誰かのために」ということだと思います。

私たちは世間の皆様から見ると恵まれています。それを、誰、何のために使っていくのかが大事であり、そのようなことを、一人ひとりが行っていけば、より550万人への貢献ができるのではないかと思っています。

誰かのために頑張ろうとする人に対しては、会社としても後押ししていきたいと思っています。

その他も、会社として制度の見直しなどを進めていく。

【働き方の多様化】

・若手、職種といったカテゴライズで、業務の幅を限定することをやめる。やる気と実力がある人は、どんどんチャレンジできるように変えていく

・個人の希望やライフステージにあわせた働き方も尊重、いろいろな選択肢をつくっていく。ただ、それによって、アウトプットが制約される場合は、処遇も変わることはご理解いただきたい。そのうえで自由度を高めていく

・「在社時間が長いから頑張っている」という考え方から脱却。効率性を正当に評価していく

【社外派遣の拡大】

・「トヨタの外を知る機会」は重要。社外出向を拡大し、たくましい人材を育てていく

・技能系の出向も増やしていく。本人の勉強になり、先方の役に立ち、グループ全体の競争力向上につなげる

【ロケーション】

・事技系職場を中心に、コロナ以降、時間や場所にとらわれず働けるよう、環境を整えてきた

・従来の概念から転換し、複数のサテライトオフィスの設置など、感染症対策や、通勤時間の短縮など働きやすさを検討していく

桑田執行役員

失敗しようが、成功しようが、チャレンジするときに人は成長する

550万人に頼られる存在になるために、トヨタで働く者の「成長」と「全員活躍」が話された今回。最後は、チャレンジすることの重要性を全員で改めて認識した。

河合議長

自分が仕事でチャレンジしたことについて、職場の仲間が「あれ良かったよ」と言ってくれたり、上司が「これいいね。やりやすくなったよ」と喜んでくれたり、笑顔になってくれたとき、人はうれしく思うもの。

年齢・学歴・資格などに関係なく、職場で働く一人ひとりがチャレンジする機会を持ち、みんなに認められていると感じる人が増えれば、その職場は自然に活気が出てきます。

コロナで生産が止まったときにも、みんながさっと動いて、原価低減や改善に取り組み、減産の中でも生産性が過達となったことには本当に驚きました。ここ数年で職場が大きく変化し、いい流れになってきた手応えを感じています。

失敗しようが、成功しようが、チャレンジするときに人は成長します。チャレンジしていくことこそが、仕事のやりがいと幸せにつながり、550万人から頼りにされる存在になると思います。

河合議長

続いて組合から、次回に話し合うべき議題が示され、2回目の話し合いは幕を閉じた。

組合・西野委員長

本日の議論をへて、相手を思いやるコミュニケーションが大変重要だと改めて感じました。

組合員は、自分のなりたい姿を描き、そこに近づくために努力を続けています。

上司の皆さんとの日々のコミュニケーションの中でも、もっと自分の言葉で、自身の想いを正直に本音でお伝えできるようにしていきたいと思います。

上司の皆さんにも、先ほどお話しいただいたように、真正面から、家族のように向き合っていただきたいと思います。

そういったことが当たり前にできる関係をさまざまな職場でつくり上げていきたいと思います。

先ほど河合さんから、「チャレンジしていくことが、仕事のやりがいと幸せにつながる」という話がありましたが、同じ思いです。

私としては、組合員一人ひとりがやりがい、幸せを感じて働いてほしいですし、そうやって働く一人ひとりの頑張りが、お客様や仲間、社会全体の幸せにつながってほしいと強く思っています。

次回、第3回労使協でも、引き続き、550万人の仲間のために何ができるのか、議論をさせていただきたく、よろしくお願いします。

組合・西野委員長

次回の協議会は3月10日を予定している。

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