横浜・山下ふ頭に誕生した「THE MOVEUM YOKOHAMA」。映像と音、空間に身を委ねるアート空間で、豊田章男会長は何を感じたのか。
アートは、どこまで人を没入させられるのか。
横浜の山下ふ頭で始まった「THE MOVEUM YOKOHAMA by TOYOTA GROUP」。
映像や音、空間演出によって来場者を包み込む、イマーシブアート(没入型デジタルアート)などが展開されている。
館内では、19世紀末ウィーン芸術の黄金時代を代表する画家、グスタフ・クリムトとエゴン・シーレの作品世界を、巨大な倉庫空間いっぱいに広がる映像と音楽で体感できる。
壁や柱といった建物の構造を生かした演出により、作品を「観る」というより、空間の中に「入り込む」感覚に近い。
オープンに先立ち、豊田章男会長は横浜とトヨタの意外な縁を紹介した。
豊田佐吉が自動織機で世界に出た出発点も、豊田喜一郎が欧米視察に向けて旅立ったのも、初代クラウンが初めて米国に向けて輸出されたのも、横浜だったという。
トヨタが「世界に出る」節目には、いつも横浜があった。
そんなトヨタと縁深い横浜で、「文化の香りがしない」(豊田会長談)トヨタがなぜ、芸術施設をオープンさせたのか。
そして、展示を実際に「体験」した豊田会長が、何を感じ、どこに目を奪われ、思わず声が漏れたのか。その新鮮な反応も、映像に収められている。
会場では、感覚に働きかけるもう一つの「没入」が並走している。
俳優の山口智子さんが10年にわたり世界各地で記録してきた、未来へ伝えたい「地球の音」を集めたプロジェクト“LISTEN.”だ。
このプロジェクトの誕生秘話を探るため、富川悠太が山口さんを訪ね、ハンガリーへ向かった。
解説に頼らず、音に身を委ねる。ここでもまた、「体験」が主役だ。
港町・横浜で始まったトヨタの新しい挑戦、「THE MOVEUM YOKOHAMA」。
アートを味わう、新しいアプローチ。心が「動く」とは、どういうことなのか――ぜひ映像で確かめてほしい。展示はいずれも3月31日まで。