単独大西洋横断ヨットレース「ミニトランザット」に日本人女性として初挑戦! 大西洋をたった独りで渡り切った高原奈穂選手。そこで得た学びとは?
2月6日のトヨタイムズスポーツは、ヨットでの単独大西洋横断を成し遂げた高原奈穂選手をゲストに迎えた。
外洋ヨットレース「ミニトランザット」を完走したのは、日本人女性で初の快挙。独りぼっちでの18日間の航海を通じて、高原選手が得た3つの学びとは?
地球を感じるレース「ミニトランザット」を完走
高原選手がスタジオに登場するのは、ミニトランザット出発前の昨年8月の出演以来。過酷なレースを無事に終え、日本に帰国しての報告となった。
2年に1度開催されるミニトランザットはフランス本土を出発し、第1レグではカナリア諸島(スペイン領)、第2レグではゴールとなるカリブ海のグアドループ(フランス領)を目指す。第1第2レグ合わせて4週間もの時間をかけて、約7,500kmを独りで渡り切る。トヨタイムズスポーツではそのスケールから“ダカールラリー”に例えた。
「ミニ」とは船のサイズを意味し、高原選手は市販されている船のクラスに全長6.5メートルのヨットで挑んだ。国内では日本選手権ダブルス3連覇などの実績を持つが、「今までで一番地球を感じるレースとなりました」と振り返った。
ハリケーンからの避難
昨年9月21日にミニトランザットはスタート。順調な滑り出しを見せた高原選手だったが、5日目に予測できない事態が発生した。
「朝だったんですけれども、聞いたことがないアラートが聞こえてきて。確認すると(主催者から)メッセージが届いていて、ハリケーンが来て非常に危険なので、今すぐ陸地に避難してくださいと」
第1レグの中止が決まり、風が強い西側にいた高原選手は、急いで避難することに。ポルトガルの港町にたどり着いたが、大会のルールでスマホはなく、持っているのはパスポートとクレジットカードのみ。
現地の人に宿泊先を案内してもらい、人の温かみを感じたと話す。
機械トラブルにも独りで対応
レースはカナリア諸島からの第2レグで再開され、いよいよ大西洋横断へ。序盤では風のない地帯を走り続けて57艇中52位まで順位を落としたが、徐々にペースを上げていった。
大西洋の真ん中辺りでは、風のデータを読み取るウィンドセンサーが壊れるトラブルが発生。夜間に自動操縦を行う設定などに必要な機械だが、船を一度止めてバックアップの部品に切り替え、自力で復旧させた。
船上での日常生活を、高原選手は自撮りで記録していた。食事や睡眠、歯みがき、日焼け止めケアなどの映像が披露されたが、髪が洗えないのは大変だったそうだ。クジラとの遭遇や顔のシートパックなどの動画は28:20から。
準備が全部生きた結果のゴール
旅の終わりを迎えたのは、第2レグ18日目の11月11日。記録は16日10時間30分23秒、57艇中26位でのゴールだった。他の船より南を走行して貿易風をとらえ、月が見えない夜はしっかり寝て昼に舵を持ち続ける戦略で、後半に追い上げを見せた。
「もう感慨深い、安堵ですよね。とりあえず渡ったっていう、まず合格点挙げられるなというところ。トラブルに関してもこういう時はこうしようと想定していて、準備が全部生きてきたので、そういう意味では何事もなかったのかなと」
高原選手のゴールの瞬間の動画は36:53から。
レースを通じて感じた、人間の生命力の強さ
高原選手が独りで大西洋を横断して学んだことは「完璧な1日なんて存在しない」「人間の生命力の強さを感じた」「○○○が怖くなくなった」の3つだという。
1つめの「完璧な1日なんて存在しない」について、「序盤はもっとこうしたらよかったとか、済んだことを考えてしまって、モチベーションが出てこない時間も少しあったんですけれど。その時に、そもそも自分は完璧な人間でもなければ、人生を振り返ってみれば、1日たりとも完璧な日がなかったなということに気づいて。だから、完璧じゃないというのは前提として、今目の前にあるできることをやっていこうというマインドセットになりました」と説明した。
「人間の生命力の強さを感じた」は、初めて経験するレースに適応することで自分自身の成長を感じただけでなく、「他の選手はもっと大きなトラブル、船のマストが折れて、それでも27日間かかって大西洋を渡ってきた選手がいたんですよね。でも、彼らが笑顔でフィニッシュしている姿を見て、人間って強いんだなって思いました」と語る。
3つめは、高原選手が個人的に苦手だったことが「大西洋を独りで渡ってきたから、この課題は乗り越えられるっていうふうに思えるようになりました」と笑顔を見せながら話してくれた。
ミニトランザットを通して高原選手が学んだことは44:19から。
孤独と向き合う2つの方法とは?
視聴者からはチャットで、孤独を感じた時の対処方法に関する質問があった。高原選手は18日間の孤独を振り返って「その孤独の感情を掘り下げる。ノートとかを持っていっていて、孤独とは何かとか、今の気持ちとかを書いたりすると、面白くなってくる。あとは本を読む。漫画を持って行ったんですが、自分が社会の中にいる気持ちになるというか、その漫画に入り込めます」と回答していた。
今後も活動を続けて、より難易度の高いレースにも挑戦したいという。その原動力について「ヨットや海が好きというのに加え、やっぱり完璧じゃないので、もっと改善できる部分があるんじゃないか、試してみたいっていう好奇心なのかなと思います」と語る。
独りぼっちの海で地球を感じるという、外洋ヨットレースでしかできない経験を通じて、多くの学びを私たちに伝えてくれた高原さん。次の航海も非常に楽しみだ。
アンテロープス1位でシーズン終了、4年ぶりの頂点へ
番組の冒頭では、女子バスケットボールのWリーグでレギュラーシーズン1位を決めたアンテロープスの選手たちがリモートで出演し、プレーオフへの意気込みを語った(2:35から)。
練習後の昼休みに、ほぼフルメンバーの選手たちが集合。16年ぶりのシーズン1位に、キャプテンの山本麻衣選手は「自分も8年間いるけど初めて。若い選手が本当に成長してくれたので、去年とはまた違う戦い方ができていると思います」と話す。
2年目の三浦舞華選手は「周りを見れるようになって、バスケを楽しめています」とコメント。昨シーズンのケガから復帰した平下愛佳選手や横山智那美選手、ベテランの安間志織選手らも今シーズンのチームの充実ぶりについて述べた。
4年ぶりの頂点を目指すプレーオフのセミファイナルは3月28日から、4位のトヨタ紡織サンシャインラビッツと2戦先勝方式で戦う。会場はスカイホール豊田で、山本選手は「私たちのホームゲーム同然なので、ぜひ会場へ来て応援よろしくお願いします」とアピールしていた。
放送中は大神雄子ヘッドコーチも怒涛のコメントで選手を鼓舞し、早くもエンジン全開。この勢いのまま悲願のWリーグ制覇に向けて突っ走るアンテロープスを応援しよう!
毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズスポーツ。次回(2026年2月13日)は、「トヨタアスリート メンタル講座」を特集する。講師を務めるのは、エアレースの室屋義秀選手と、元ビーチバレーボール部の橋本涼加さん。若手トヨタアスリートを生徒に迎え、スポーツ以外にも役立つような心のケア方法などを学ぶ。ぜひ、お見逃しなく!