多様な価値観がある時代だからこそ、未来はみんなでつくっていく。JAPAN MOBILITY SHOWの舞台で佐藤恒治社長が示した、トヨタが目指すモビリティとは。
日本が誇る技術や、挑戦を続ける経営者が集まり、つながり、世界に向けて「日本発」の未来を発信していく場にしたい。
そんな想いを込めて「東京モーターショー」から進化した「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」が10月26日、東京ビッグサイトで開幕した。(一般公開10月28日〜11月5日)
その前日、プレスブリーフィングでトヨタブースに登場した佐藤恒治社長。トヨタが世界に向けて発信するコンセプトを紹介した。
テーマは「Find Your Future」。
多様な価値観、ニーズがある時代。壇上にはさまざまなモビリティが並んだ。そこで佐藤社長が語ったのは、多様性に応える3つのモビリティで描く未来の形だった。
スピーチ全文をお届けする。
テーマは「Find Your Future」
佐藤社長
皆様、おはようございます。佐藤です。ようこそ、トヨタブースへ!
ここトヨタブースでお伝えしたいのは、多様性にあふれるモビリティの未来です。人の数だけ、多様な価値観、多様なニーズがあります。
未来は、誰かに決められるものではなく、みんなでつくっていくもの。私たちはそう考えています。
だからこそ、トヨタブースのテーマは「Find Your Future」。
あなたの未来がきっと、トヨタのクルマの中にあると思います。
今日はその中から、3つのモビリティで描く未来の話をしたいと思います。
3つのモビリティで描く未来
1つ目は、バッテリーEVと暮らす未来です。
環境に優しいだけではなく、電気エネルギーならではの運転の楽しさも、走りの味もあって多様な体験価値も実現できる。それがバッテリーEVです。
クルマ屋らしいバッテリーEVをつくる。
その意味するところは、クルマづくりの原理原則に立ち返って、航続距離などの基本性能はもちろん、バッテリーEVでしかできない価値を実現していくことです。
そのひとつが、今までにない低重心と広い空間を両立するクルマをつくること。
そのためには、基本コンポーネントを徹底的に小型化、軽量化し、それを最適なパッケージングにつなげていく「クルマ屋の力」が必要です。
それができると、デザインも、走りも、すべてが大きく変わります。そして、クルマに乗り込むと、全く違う景色が広がっています。
まずレクサスブランドからそれを物語るクルマを生み出してまいります。
このあと10時半から、Chief Branding Officerのサイモンよりご紹介しますので、レクサスブースでぜひご覧ください。
もちろん、こちらの2台のようにトヨタやGRのクルマも変わっていきます。
クルマを小さく、低く、軽くつくれる技術があれば、スポーツカーから、SUV、ピックアップ、スモールバンまで…
素性の良い、多様なラインナップを生み出すことができます。
そして、そのハードウェアの上には、新たな体験価値を実現する「Arene(アリーン)」、新しいソフトウェアプラットフォームがあります。
移動はもっと便利で、楽しく
常に最新のソフトウェアを実装できるのはもちろん、車両データを活かして、お客様ニーズに寄り添った開発をスピードアップし、お客様が嬉しい価値をもっとご提供できるようになります。
さらに、さまざまなアプリがクルマの価値を高めていきます。
例えば、エンターテイメントプロバイダーが生み出すサービスやコンテンツ。
ソフトウェアの新たなパートナーとつながっていくことで、移動はもっと便利で、楽しくなっていきます。
アプリでクルマの中から買い物ができたり…
ドライブでは、マニュアルモードで走りの味を楽しんだり…
駐車した後はエネルギーグリッドモードで電力を融通して社会の役に立つ。例えば、そんな未来が待っています。
クルマの価値をつくりあげるのは、お客様一人ひとり。クルマの役割は、社会とつながり、その可能性を広げていくことです。
あなたの「欲しい」があなただけのクルマをつくる。
それが、次世代バッテリーEVとソフトウェア・ディファインド・ビークル*の未来です。
*ソフトウェア更新を見据えて設計したクルマ。購入後もソフトウェアの更新によって機能を増やしたり性能を高めたりできる。