コラム
2019.01.14
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「ニュルとスープラとモリゾウ」【モリゾウのつぶやき】

2019.01.14

昨年、モリゾウはスープラの最後の味付けをするためにドイツのニュルブルクリンクへ。

もうすぐデトロイトで
新型スープラが発表されますね。

・・・って、発表前に、
そんなこと言っちゃいけないのかな?
社長だけど怒られたりして・・・(笑)

スープラと言えば…

昨年、モリゾウは
スープラの最後の味付けをするために
ドイツのニュルブルクリンクで
開発段階のスープラに乗ってきました。

その時に、つぶやいた文章があります。

発表を前に、改めて、
それを読んでいただきたいと思ったので、
載せさせてください。

今日(1月14日)の日本時間23:40から
デトロイトでの発表が始まります。

ウェブ中継で見られますので
是非見てください。

どんな発表になるんだろう?
モリゾウも楽しみです!

==以前のつぶやき==
先日、ニュルブルクリンクの
VLN4時間耐久レースに出場しました。

実は、モリゾウがサーキットを走るのは、
すごく久しぶりなんです。

3年前にサーキットを離れてから、
これまで、ラリー一本でやってきました。

新型スープラが開発の最終段階に入る中、
「サーキットでテストドライブしてみては?」と
声をかけてもらったこともあり、
7月にニュルで走り込みをして準備を始めました。

思い起こせば、20数年前、
成瀬さんから誘われて、
運転訓練を始めた時の相棒が80スープラでした。

初めてニュルを走った時、
前を走る成瀬さんのクルマの
テールランプとバックミラーばかり見ながら、

必死の思いでピットにたどり着いたこと、
本当に怖かったことを、
今でもはっきりと覚えています。

「レースに出てもレースはするな」。

成瀬さんから言われた言葉です。

スペックの異なる様々なクルマが
混走するニュルのコースで、

安全に車両開発テストを行うためには、
後ろから来るクルマを
上手に「抜かせる」技能が大切になります。

20年前、成瀬さんから、
この技能を徹底的に叩き込まれました。

当時、ニュルでの運転訓練中に
成瀬さんがポツリと語ったことがあります。

「ドイツメーカーを見てみろ。
開発中の新型車で
ニュルのサーキットを走っているだろ。

それに引き換え、
トヨタは既に生産が終わったスープラだ。
いつかニュルで開発中のマシンを走らせたいなぁ」。

成瀬さん、
とうとう新型スープラでニュルに来ましたよ。

成瀬さんのチームのメンバーも
みんな一緒にいますよ。

そんな想いで、
新型スープラを走らせます。

後ろから来るクルマに
スピードも走行ルートも変えさせずに、
抜かせていきます。

レースに出ても
決してレースはしていません。

成瀬さん、
もう一つ報告したいことがあるんです。

実は、今回のレースで、
スープラは残り約1時間で
ドライブシャフトから
グリスが漏れてしまいました。

モリゾウを走らせようと、
成瀬さんが育ててくれたメンバー達が
必死になって、クルマを修理してくれました。

今では、ベテランになった彼らが、
必死にクルマと向き合う姿は、
あの頃と何も変わっていません。

その背中を若いメカニックに
しっかり見せてくれています。

「もっといいクルマ」を目指して、
みんなで、心をひとつに、走り続けていますよ。

久しぶりに、ニュルの道に戻ってきて、
改めて感じたことがあります。

やはり極限の状態でないと、
もっといいクルマづくりは
できないということ。

そして、マスタードライバーとして、
ニュルは避けて通ることのできない道だということ。

だから、成瀬さんは、
モリゾウにニュルを走らせたのだということです。

成瀬さん、
あなたは、最後の最後まで、ニュルの道を走り続けました。

モリゾウもまた、
仲間と共に、この道を走り続ける覚悟を決めました。

ニュルの道が、
もっといいクルマづくりの原点を思い出させてくれました。

※こちらの内容は、社内イントラネットに2018年10月31日に掲載されたものです。

<編集部追記>
デトロイトの記者発表は
本日1/14(月)23:40より開始です。

ライブ配信でお届けしますので
以下よりお楽しみください。

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