トヨタイムズスポーツ
2022.06.06

Amazingな3次元体験! エアレース室屋義秀が開く、新しい空の扉

2022.06.06

エアレース・パイロットの室屋義秀選手がスタジオ登場! 森田キャスターの体当たり飛行体験とともに、難解な操縦方法からレクサスとの技術交流までを語り尽くす。

6月1日に配信されたトヨタイムズ放送部は、エアレースを特集。パイロットの室屋義秀選手をゲストに迎え、エアレースの魅力やクルマの開発との関係などを解説した。森田京之介キャスターが飛行機に同乗し、曲技飛行中の機内から体を張って実況するなど、ここでしか見られないAmazing(アメイジング)な映像が満載だ。

パイロットスーツ姿でスタジオ初登場

今回の特集は、いつもの放送部とは違う雰囲気でスタートした。映画の予告編を思わせるAmazingなオープニングムービーが始まるやいないや、視聴者からは「かっこいい!」のコメントが続々と寄せられた。

スタジオに登場した室屋選手は、青のパイロットスーツに身を包み、LEXUSのロゴも映える。映画「トップガン」シリーズの主人公になぞらえて「マーヴェリック!」「TOYOTAのTom」や、「BGMもAmazing!」というコメントも。 エアレース・パイロットとして数々の実績を持ち、今年は「The Air Race World Championship(世界選手権)」にアジア人で唯一参戦する室屋選手。放送部では(1)室屋義秀ストーリー、(2)12Gの3次元フライト、(3)LEXUSでつながった陸と空、(4)極限のバトル エアレースの世界、という4つの側面から、Amazingな彼の人生やエアレースの魅力に迫った。

幼少時の夢を実現、アクロバティックな人生

まずはイラストを使い、室屋選手のこれまでのストーリーを振り返る。ロボットに乗ることに憧れ、自転車に段ボールの羽根をつけて崖から飛ぼうとした子ども時代。不時着して救急車が呼ばれたこともあったが、「飛べるような気がしていたんですけどね」と本人はクールに振り返る。

その後、大学生でグライダー部へ入部し、飛行機操縦免許を取得。卒業後に本格的エアロバティックパイロットへの道を歩き始める。腕に自信を持っていたが、アメリカの訓練では高くなった鼻をへし折られ、日本に戻ると資金調達のためのアルバイトという苦しい日々が続いた。

室屋選手が凄いのは、資金を借りて飛行機を購入し、自分でエアショーチームを事業化したこと。そうしているうちにスポンサーも集まり、2009年からエアレースに参戦。2017年にはワールドチャンピオンのタイトルを獲得した。

コロナ禍でエアショー等の休止が続いてからは、飛行機のスムークで空にニコちゃんマークを描く「大空を見上げよう」のプロジェクトでも話題を集めている。

上昇したり降下したりのアクロバティックな自らの人生を「国内では誰もやったことがないので、いろんなことが手探りで大変だったんですけど、面白かったですね」と室屋選手。視聴者のチャットも、拍手のアイコンでパイオニア精神を称えていた。

森田キャスター、Gに耐えながら魂の実況

VTRで森田キャスターが訪れたのは、室屋選手が拠点としている「ふくしまスカイパーク」。取材を始めようとすると、「説明するのも面倒なので、まずはちょっと飛んでみましょう!」と二人乗りのレース機にいきなり乗せられる。

室屋選手の前の席に座り、離陸する時は手を振る余裕も見せていたが、地上では味わえないG(重力加速度)を徐々に体感していく。一気に上昇した後は、宙返りする機内で「ううううう! あああああ、Gが!」「下に落ちていくーーー!」と、実況ならぬ絶叫を見せた。

しかし、見せ場はこれからだ。背面飛行、エアレースの本番飛行のデモへと続き、森田キャスターは苦悶の表情。それでもしっかりと言葉で伝えようとする姿に「さすが! 必死のレポート。プロ」と応援コメントも飛び出した。

クライマックスは連続で回るきりもみ回転。森田キャスターは「これはクイズ番組で見たことあるやつだ! これ大丈夫なのか? あああああーーー!!!」と実況し、ぐったりと放心状態のまま地上に生還した。

「いろんな取材をして、一番きつい取材です。でも一番楽しい取材かもしれません!」と体験レポートを締めくくった森田キャスター。「神映像では」「これはやばい」などのコメントが寄せられており、実況と合わせてコックピットからのAmazingな景色にも注目だ。

操縦桿を両手で握るサムライスタイル

着陸後は目もうつろだった森田キャスターは、1時間半休んだ後に取材を再開。室屋選手から、飛行機が動く原理などについて詳しく聞き出した。主翼、垂直尾翼、水平尾翼のそれぞれに舵がついており、3方向の操作を組み合わせることで、3次元の動きが完成する。

スタジオでも、模型と操縦桿を使って、実際の操縦を再現。機体の傾きによって方向が逆になるため、一瞬のうちに感覚を切り替えることが求められるという。

室屋選手は他にも、強烈なGに耐えるための血圧コントロール術や、操縦桿を両手で握って精度を上げる「サムライスタイル」などについて、分かりやすく解説した。

LEXUSとの技術の融合がもたらす相乗効果

LEXUSと室屋選手は、チームパートナーシップ契約を結び、技術交流会などを通じてお互いに意見を交換している。その成果の一部についても、室屋選手とテクニカルコーディネーターの中江雄亮さんが現地で解説した。

レース機の主翼の先端は「ウィングレット」と呼ばれる独特の形状をしており、空気の渦でスピードを落とさないように設計されている。この解析を行ったのがLEXUSのチームで、スーパーコンピューターを使って最適化されている。

この技術を活かして作られたクルマが、特別限定モデルのLEXUS LC500h Limited Edition “AVIATION”だ。車両後部のウィングレットが気流の渦を安定的に生み出すことで、直進安定性や運動性能の向上に寄与している。実際に乗った室屋選手も「時速30kmぐらいで効いてきているのがわかる」と話す。

さらに、LEXUSの技術を駆使してカスタマイズされた、室屋選手の操縦席の背中のクッションも紹介。両者が培ってきた技術の融合は、他にもたくさんあるそうで、一般ユーザーに還元されるのが楽しみだ。

日本でのレース再開催に期待の声

最後はスタジオで、エアレースの基本ルールを解説した。1周5~6kmのコースを約1分かけて2周するタイムトライアルで、優勝するためにはミスは禁物。室屋選手が過去に優勝したレースでは、2位との差は0.003秒だった。

すり抜けるパイロンの間隔は狭く、室屋選手は「高速道路のETCのゲートを200kmでドリフトしながらいく感じ」とクルマで分かりやすく例えた。 3年ぶりの開催となる世界選手権は、開幕戦のイギリス大会は中止になったが、マレーシアやオーストラリアなどで予定。「日本でもまた開催されてほしい」「幕張でまたレースが見たいです」といったコメントが続々と集まり、室屋選手は「どんどん発信してもらえれば実現すると思います」と呼びかけた。

森田キャスターは、室屋選手のチームの雰囲気とカレーを絶賛。室屋選手は「あと10回ぐらい(ゲストで)呼んでもらっても、いけると思います」と話しており、エアレースのAmazingな面白さは、まだまだ奥が深そう。これからも室屋選手の活躍から目が離せない!

次回は2つの24時間レースを特集

毎週水曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズ放送部。1週お休みを挟んで次回(2022年6月15日)は、レーシングドライバーの脇阪寿一さんをゲストに迎え、6月3~5日に開催の富士24時間レースと、翌週のル・マン24時間レースの結果をまとめて特集する。

富士24時間レースの情報は特設サイトからチェック!

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