コラム
2019.08.21

Athlete Stories ジョセフ・スクーリング選手、川本 武史選手「ライバルとして共に学び合い、成長を続ける二人」

2019.08.21

トヨタのサポートする"グローバルチームトヨタアスリート"の一人で、リオ2016の100mバタフライ金メダリスト ジョセフ・スクーリングは米国からシンガポールに帰郷してからも連日、アジア地域の強豪選手とトレーニングを積んでいた。今日のトレーニング相手は、もう一人のグローバルチームトヨタアスリートであり、トヨタ自動車に所属する川本 武史(e-TOYOTA部)だ。川本もスクーリングと同じくバタフライで戦う競泳選手。昨シーズンの実績は100mバタフライにて日本記録を樹立、翌月の国際水連世界選手権(通称 : FINA)でも同じ競技で優勝、さらに50mバタフライでも日本記録タイと好調だ。

※本記事は、トヨタグローバルニュースルームに2019年8月21日に掲載されたものです

ジョセフ・スクーリング選手川本 武史選手Athlete Stories続編記事> 

トヨタのサポートするグローバルチームトヨタアスリートの一人で、リオ2016100mバタフライ金メダリスト ジョセフ・スクーリングは米国からシンガポールに帰郷してからも連日、アジア地域の強豪選手とトレーニングを積んでいた。

今日のトレーニング相手は、もう一人のグローバルチームトヨタアスリートであり、トヨタ自動車に所属する川本武史(e-Toyota部)だ。川本もスクーリングと同じくバタフライで戦う競泳選手。昨シーズンの実績は100mバタフライにて日本記録を樹立、翌月の国際水連世界選手権(通称:FINA)でも同じ競技で優勝、さらに50mバタフライでも日本記録タイと好調だ。

川本はスクーリングとの合同トレーニングの取材前日に、シンガポールにあるToyota Motor Pacific Asia(以下、TMAP)のオフィスを訪れた。シンガポール初の金メダリストであるスクーリングの存在もあり、シンガポールでは競泳への関心が高い。
川本の訪問を温かく迎え入れるTMAPの従業員。さらにサプライズで、訪問の前の週の川本の24歳の誕生日を一緒にお祝いした。川本もそれに応えるように英語でコミュニケーションを取り、トヨタの仲間の応援を直に感じる機会となった。
翌日の午後、スクーリングと川本の合同トレーニングが始まった。空気は一変、両選手がバタフライでタイムを競い合う。しかし泳ぎ終えるとプールサイドでクールダウンしながら二人は楽しそうに語り合っていた。
スクーリングが川本に、泳ぎのテクニックについて尋ねると川本は身振り手振りで説明する。

厳しいトレーニングの中、トレーニングに参加する他の選手たちとも談笑する姿を見ると、雰囲気の良さが感じられた。そして選手たちが水泳と真摯に向き合っていることがはっきり伝わってくる。

スクーリングと川本は、選手として成長する方法を常に模索している。「合同トレーニングはいつでも楽しいです。新しい選手がやって来て刺激を受けるし、それが活力にもなります」とスクーリングは言う。

ライバルであると同時にトレーニングのパートナーでもある川本について、「川本との合同トレーニングは、お互いから学び合える素晴らしい機会です。二人とも競技で結果を残していますが、つねにカイゼンの余地はあります」と語っている。

「私は川本に、テクニックを磨くために何かやっていることはあるのかと尋ねたことがあります。彼の泳ぎ方について興味が湧きますし、逆に質問されたこともあります。お互いの考えを取り入れあって、お互いにさらに成長できる。だから合同トレーニングに全力を注いでいます」。

川本も全く同感のようだ。「スクーリングとのトレーニングはとても良いチャンスだと思っています。あのスピードと強さの理由を学べますからね。最も素晴らしいことはチームや国籍という枠を越えて互いに認め合えることでしょうか」と微笑む。

川本はスクーリングの活躍によって、アジア人も世界で勝てるという可能性に気づかされた。
「スクーリングがリオ2016でメダルを獲得した時、アジア人でも金メダルを取れるのだと驚きました。水泳においてアジア人は長距離は得意ですが、身長や腕の長さなど、体格的要素が結果を左右する短距離は従来苦手だと思われてきました。しかし、スクーリング選手はどの選手より速かった。これはとても大きな意味を持っています。将来、自分にも金メダルを獲れる可能性があるということですから!」。

川本は合同トレーニングだからこそ得られる恩恵も感じている。「一人ではトレーニングの内容がキツくなると嫌になってくる。でも、ここには励まし合える仲間がいます。スクーリングはトレーニングメニューやテクニックなど、多くのことを教えてくれる。彼の方が少し年下なんですけどね(笑) 
でも、トレーニング中のレースでスクーリングに負けると、次は絶対に負けるもんか!と思います。もっと頑張ろうという気持ちになりますね」と、川本は笑って話す。

水泳界を牽引する世界レベルの若きアスリート達が共に、さらに上を目指し努力を続ける姿は清々しい。試合となればライバルとして切磋琢磨する一方で、トレーニングする時にはパートナーとしてお互いの成長をサポートし合う彼らには、本当に驚かされる。

スクーリングはトヨタの新しい企業チャレンジ”Start Your Impossible(自分の限界を超えること)”について、「今後も自分の水泳に関して、カイゼンできる課題を見つけ続けること」だと語ってくれた。
「まずは自分や周囲の期待を超える結果を出すこと。次に自分の限界を押し上げていくことですよく聞く言葉だと思いますが、アスリートにとってはモチベーションが大切です。目標に向かっていくその意欲こそが、世界の舞台へ、オリンピックへと道を繋げてくれます。

私の“Start Your Impossible”は毎日トレーニングに通い、ベストを尽くせるよう努力し、いつもポジティブでいること。次のレベルに進むためには、こうしたことをより上手くできるようになる必要があります」と話した。

川本にとっての“Start Your Impossible”は、「究極の泳ぎ方を追求すること。まずは身体と向き合い、コンディションを完璧に整えながら、テクニックを極めていきます」と自信のある目で言う。

この日の合同トレーニングは午後6時近くに終了した。プールを出て体を拭くスクーリングと川本たちの会話は弾んでいた。数日後、さらなるトレーニングのために米国に発つ川本のために、スクーリングが地元シンガポールのおすすめ料理を教えていたのだ。

一方、好きな日本食は寿司とうどんと話すスクーリングは、本場の味が気になっているようだ。東京2020オリンピック競技大会で来日する折に食べることを楽しみにしていると笑った。

東京2020大会のプールでは、強力なライバル同士が表彰台の一番高い所の座を争って熱い闘いを繰り広げるだろう。しかし、競技が終わった後には二人の若者が東京の寿司屋のカウンターに座って、楽しく語らいながら食事をする様子が目に浮かんでくる。2020年の夏、東京で二人に再会するのがとても楽しみだ。

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