なんとトヨタが大豆をつくっていた!豆乳や湯葉、ラーメンまであるって本当!?

2024.10.01

本業とは関係ないように見える取り組みを紹介する「なぜ、それ、トヨタ」。今回は自動車会社の国産大豆?

熱気が充満するなか、搾り出されるこの液体。実はこれ、豆乳なんです。

今回は、豆乳や湯葉、鶏白湯ラーメンからシュークリームまで…。「なぜトヨタが!?」といった取り組みをご紹介。きっと、トヨタイムズのなかで最も食欲がそそられる記事だろう。

トヨタは1990年代、環境問題の対策のひとつとして、バイオテクノロジーの研究開発に着手。2003年には自動車部品として世界初のバイオプラスチックを採用したほか、バイオ燃料の開発にも取り組んできた。

クルマづくりやバイオ技術開発で培ったノウハウを、今では農業の持続的な発展にも活かしている。今回取材した「付加価値の高い大豆」の普及に向けた取り組みもそのひとつだ。

背景には、国内農業における様々な課題がある。

資材価格の高騰、人手不足や後継者不足、気候変動など、農家にはいくつもの苦難が押し寄せている。昨今は米不足も叫ばれているが、事実、202418月に離農した農家は過去最多だったという報道も…。

和食に欠かせない大豆。でも自給率は衝撃的な低さ

そこで2020年、トヨタが立ち上げたのが「HAPPY AGRI」ブランドだ。

アグリバイオ事業室 小石原弘明 主任

HAPPY AGRI」は、農業を通じて笑顔と幸せを量産したいという想いを込めたブランドです。

「農業の生産性向上」「食の安定供給」「環境にやさしい農業」の実現を目指し、生産者さんをはじめ、JAや行政、食品メーカーや飲食店などのパートナーと共に、農業の持続的発展に向けて取り組みを進めています。

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そのひとつが「国産大豆応援プロジェクト」だ。

アグリバイオ事業室 島田武彦 主幹

大豆は高タンパクで、栄養バランスに優れています。日本食になじみが深いにも関わらず、国産大豆の自給率はわずか6% * 。輸入に頼らず国内生産を増やせば、輸送費やCO2の削減にも貢献できます。
*重量ベース、令和4年度実績、農水省

そこで国産大豆の生産を拡大するために、魅力のある品種として、佐賀大学や九州大学との共同研究で新しい「高オレイン酸大豆」の品種を開発。

生産から販売までを一気通貫でつなぎ、想いを共にする仲間と一緒にその普及を目指しています。

高オレイン酸大豆。その特徴を聞いて我々も驚いた。

一般的な大豆と比べ、オリーブオイルの主成分でもあるオレイン酸が極めて多い。

オレイン酸は健康効果があることで知られているが、それだけでなく酸化しにくい特徴があり、大豆特有の青臭さも抑えられるため幅広い食品への活用が期待できる。

この高オレイン酸大豆の特徴を最大限に活かした商品が発売されることになった。

自動車会社からのコンタクトは初めて

我々が向かったのは愛知県岡崎市に本社を構えるマルサンアイ株式会社だ。きっとこの商品、誰もが見たことがあるだろう。

マルサンアイ 開発統括部 谷口実優さん

大豆は通常、商社から仕入れるのですが、自動車メーカーから提案があったのは初めてでした(笑)。

高オレイン酸大豆でつくった豆乳は、渋みやえぐみが少なく飲みやすい。なのにしっかりとしたコクや旨味もある。特別な加工なしでもすごく飲みやすいんです。

マルサンアイ×トヨタのコラボ商品「高オレイン酸 国産大豆の無調整豆乳」。豆乳が苦手な人にもお薦めだ

この商品は大豆と水以外の原材料を使わない「無調整豆乳」。だからこそ大豆のおいしさを存分に味わえる。かつスッキリ飲みやすいのだ。

谷口さんは「大豆の脂質に着目したのは初めて。当社としても新しいチャレンジができた」と笑顔で話す。

「高オレイン酸 国産大豆の無調整豆乳」は、101日からネット販売が開始。その飲みやすさや、コク・旨味をぜひお楽しみいただきたい。

次のページでは、京都の老舗の湯葉に、ラーメン、シュークリームなどが登場。モリゾウ選手も耐久レース中に大豆食品で栄養補給!?

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