トヨタイムズ

トヨタの現在地を確認できた95分間

香川編集長 2020.12.04 UPDATE

INDEX

全世界の仲間に向けた、95分の極秘映像を見た香川編集長。そこでは、トヨタの過去、現在、そして目指している未来について濃密に語られていた。

トヨタイムズが創刊され、香川編集長が就任してもうすぐ2年。ドイツアメリカをはじめ、国内外のさまざまな拠点を訪れ、体当たりで取材してきた香川編集長は、豊田社長が世界各国のトヨタの仲間たちに送った熱いメッセージに何を思ったのだろうか。

すべてが、つながりつつある

世界大会の秘蔵映像をみたあとの香川編集長へインタビューを敢行
Q. 今回の取材の感想をお聞かせください

香川
現在のトヨタのことがまた一段とよく分かって、これを見られたことがまず幸せでしたし、この2年間やってきたことが1つにつながりつつあるのを再認識したという意味でも、スカッとしている感じがあるんですよね。なるほどな、と。

どんどん、解けなかった謎だったり、「えっ、どういうことだろう?」と分からなかったことが、つながってきてる感じというのが、すごい自分の中で腑に落ちていくので。また一歩、今日世界大会を見ることで、内部に深く入る感覚になったなと思うんですよね。

例えば、役員が複雑化していたところを単純にして、副社長という地位をなくしたり、生産の場でのそれぞれの部品ごとに分かれているのを統合して1つにしたり、という意味の「ONE TOYOTA」というのもあったと思うんですけど。そういう、複雑化しているものを1つにしていくことも、実は最後のほうで出てきたハードウェアの精度を上げるための手段であって、ソフトウェアを絡ませるためのハードウェアの「ワンチームぶり」を固くしたのかな、と思ったり。

そのことでトヨタの今の姿勢、あるいは自動車業界の行く末、ソフトウェアを通じたパートナーシップがどうなっているのか、いろいろなことが分かって。「トヨタコネクティッド」もどういう言葉だったのかが分かったし、その意味では、現状戦線というものを本当によく見ることができましたね、この95分で。

笑顔の中に「前に進む力」を感じた

未発表の車が多数登場
Q. 未発表の車が多数登場しましたが…

香川
はい、これは単純に目の保養になったというか。やっぱり新車が出るときのワクワク感っていうのは何ものにも代え難いものが、我々の世代にはあるじゃないですか。社長が去年から「変えてやる」と打って出た東京モーターショーは本来、新車の発表の場だったわけですよ。

本来、ああいう所で、ワクワクしていたはずなのを、こういうリモートの発信の、1本の動画の中で見ることができたっていうのは、すごくトクした気分になりますし。やっぱり新車が出る瞬間の、モデルチェンジした後の形を見る視覚的な快楽っていうのは、代え難いものがありますね。

ウーブン・シティだけでも、本来ならもうね、手一杯なはずですよ。それだけも大変なのに、もう一方でTRIのロボティクスの開発があるでしょう、自動運転の。あれだって、ものすごく繊細な問題ですよ、いろんなことが。

それも手がけながら、水素、ハイブリッド、それから電気自動車、この3つの柱をどうしていくのか。なおかつクラウンだ、プリウスだ。旧モータースポーツ系だったり、サルーン系だったり、あるいは未来カーだったり、ここらへんの、いわゆるハードウェアですね、クルマとしての。その開発も、全部社長が知らないことはない。全部社長のひとさじのさじ加減で、「ちょっとこうしよう」「ああしよう」といって動いていく。多岐に渡って全部社長が関与している、関わっていることが、まず驚きでしたね。

豊田社長はもちろんのことですけど、出ていらっしゃる全員が、みんな笑顔が一緒なんですよね。決して、今のこの状況下を悲しんでるわけではない。この状況が起きても、アフターコロナの世の中でも、信念を持っていけば絶対大丈夫、不可能なことはない。いろいろそういうような肯定的な言葉が自分の中に渦巻いていて、それが笑顔となって出ていて、力強い目と、意思のある目と、前に進む力を感じるんですよ。出てきた全員から。それがとても気持ちいいビデオでした。

忘れさせてくれますよね、今の不景気だったりとか、ヨーロッパはロックダウンしているとか。いろいろな嫌なことがある世の中で、やっぱりこのビデオ1本見てたら、笑顔の人がどんどん出てきて、「絶対に負けない」「屈しない」と言って。「これからはこうなる」っていう明るい未来と、今までやってきた確固たる過去と、そして現在行っている緻密な作業、努力。それを感じることができる隙のない1本の映像なので、こっちも笑顔になるし、元気や勇気をもらえるし、これは、みんなに見てほしいなと思う。

トヨタの社員が見たら「トヨタの社員で良かった」って絶対思うと思うんですよね。これを意図的にやってる感じがしないんですよ。社長、本当にこれを言いたくて言ってて、みんな本当にこれを言いたくてインタビューに答えてる気がするの。

JAXAや他の様々な企業と共同開発を進めている月面車「ルナクルーザー」

香川
そして、本気で開発しようとしてるしね、ルナ・クルーザーからプリウスに至るまで。AIはAI班で、あるいはハイブリッド班はハイブリッド班、デザインはデザイン班で、一生懸命未来を信じて、幸せを量産しようと思って、人のために。ヒトづくり、モノづくり、いいクルマのために。その理念で動いていると思うの。ちょっとでもいいクルマをつくろうというために。

そこが一致して全員に見られる空気感が詰まっているからだと思います。だから幸せになるし、笑顔になる。

これまでの取材の「その後」を見てみたい

富士山のふもとで進められている実証実験都市プロジェクト「ウーブン・シティ」
Q. 今年最後の取材でした。来年はどんな取材がしたいですか?

香川
去年の終わりに「来年こそは批判的に」なんて言ってたよね。ラスベガスで言ってたけど、もうすでにウーブンシティの段階から、なんか危ない話になってきてさ。でも、「トヨタ工業学園」が大体もう駄目だよ。あれもう感動しちゃってるから。

そこからリモートの中で、「トヨタが黒字で乗り越える」っていうすごい決算聞いたりとか、あとはルナ・クルーザーもそうだし、船橋さんとこもそうだったけど、このコロナっていう状況だったり、あるいは世にもきつい月面に向かっていくことを屈せずやってる姿を見ると、悔しいかな、一企業としての柱の太さを感じますよね。

だから、来年、どういう取材になっていくのか、アフターコロナの状況がどうなるか分からないけれど、その中で生産の現場が、やっぱりクルマをつくる会社がソフトウェアに左右されてきて、どんなソフトウェアを搭載して、それをどういじっていくかがクルマの性格を左右するといったことになると、それこそ俳優が、「ブルーバックの前で動いてください」って、「それでいいですか」って言われるのと一緒で。

「ただボディつくってくれればいいですから」っていうふうに、もしなっていくのだとするならば、生産の現場に入ったトヨタ工業学園を出た子たちが、「やっぱり、クルマつくりたいのに」って言う中、それがそんなことになっていくのかどうか。ちょっと危惧はあるなとは思うんですよ。もちろんまだまだならないと思うけど、将来的にそうなる芽があるんだったら、それはちょっと取材していきたいなという気もします。

海外の人たちがこの状況下で、どうやって仕事をやっているのかっていうのは、すごく心配だし、その後どうなっているのかは、やはり引き続き見ていきたいなっていうのはあります。

あと例えば、ウーブンシティのその後。どう具体的な展開するのか。わりと「再来年」とか言ってたからさ。「その後どうなったのか?」っていう案件はいっぱいあるわけですよ。ルナ・クルーザーにしたって、もう「近い将来行く」みたいなこと言ってたから、その後どうなってたかっていうのは、すごく見ていきたいところではありますね。

香川
MIRAIは乗ってみたいね。あまりにも映像がかっこいいからさ。新型が出てくると、舐めるように撮るじゃん。それでその後、サーッと走ってるのが、乗りたくなる撮り方してるから。ああいうのに、ちょっと参加してみたいもんだなと思って。

たまには、トヨタイムズもクラウンのモデルチェンジ並みに、1回だけOsmo(小型カメラ)もなにも持たないで、俺がクルマをサーッて運転しているのをおしゃれに撮ってさ、ね?それで「MIRAI」とかやってみない?

たまには休日の取材のない一日をやってみたいと思います。

編集長のオフ。トヨタイムズドライブ。

「編集長の1日」ていって。

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