トヨタイムズ

豊田章男が語ったトヨタの未来とは 極秘映像を香川編集長が見た!

香川編集長 2020.11.23 UPDATE

INDEX

「人」を中心においた技術の革新

次に飛び出したのは「CASE」の「A」、つまり自動化(Autonomy)の話。自動運転がクルマの未来に大きな変化をもたらすのは確実なこと。ただし、変化は突然訪れるわけではない。最も重要である「お客さまの安全」を確保しながら進めていく、と豊田社長は語る。

TRI(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)所長 ギル・プラット氏

映像に出てきたTRI(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)所長、ギル・プラット氏の姿を見て、思わず「ギル、元気かい」と声を上げる香川編集長。

トヨタが開発する自動運転が特徴的なのは、他社のように「人間を自動運転に置き換える」のではなく、「人間の運転能力の強化」を目指しているところ。「チームメイト」というコンセプトのもと、トヨタはいかにドライバーをサポートして安全を確保するかに注力している。それが、やがて来る完全自動運転への通過点となるからだ。

TRI-AD最高技術責任者 鯉渕健

鯉渕健(TRI-AD最高技術責任者)
“自動運転になるとFUNじゃなくなるんじゃないか。こういう質問をすごくいろいろなところで聞かれたり、議論になることがあります。例えば、お客さまが運転しているときに、後ろで自動運転が安全を見守っている。安全に楽しくクルマを運転できる。”

香川
共同で運転するって感覚だな。

さらにTRIでは、ロボット工業チームが人間をサポートするロボットの開発も進めており、人間がロボットを訓練する様子を公開した。ロボット開発は来るべき高齢化社会に向けての準備のひとつ。高齢者が、ロボットの手助けを借りながら、さまざまなことを自分でできるようになる。

トヨタは機械や製品で本当の幸せのためにどのような手助けができるか

ギル
“本当の幸せとは何でしょうか。機械や製品はそのためにどのような手助けができるでしょうか。私たちは、その答えを追い求めているのです。”

香川
引き続き研究してるんだろうな。

クルマづくりの方法そのものも変革する

「ウーブン・プラネット・グループ」と呼ばれるTRI-ADや、トヨタ・コネクティッド

「100年に一度の変革」に向け、トヨタは製品の作り方そのものも替えようとしている。数多くの重要なイノベーションを生み出してきたシリコンバレーのスタートアップ精神を取り込んでいるのだ。ソフトウェアやコネクテッド技術によって新たなサービスや商品を創出することで、ハードウェア自体を超えた新たな価値を生むことができる、と豊田社長。それを手がけているのが、「ウーブン・プラネット・グループ」と呼ばれるTRI-ADや、トヨタ・コネクティッドだ。

ウーブン・プラネット・グループ、シニアバイスプレジデント 豊田大輔

豊田大輔(ウーブン・プラネット・グループ、シニアバイスプレジデント)
“ソフトウェア・ファーストの最も重要な側面は、「ソフトウェア・デファインド・アーキテクチャ」と呼ばれます。”

コンピューターシステムを中心にクルマを作る

ジェームス・カフナー(TRI-AD最高経営責任者)
“それは従来のクルマ作りを大きく変えるもので、ソフトウェアを最初にデザインするのです。コンピューターシステムを中心にクルマを作るのであって、既存のクルマという機械にコンピューターシステムを入れ込むのではありません。”

豊田大輔
“お客さまは継続的に自分のクルマをアップグレードし続けられるでしょう。”

香川
いいね!

コネクティッドの可能性はさらに広がる

コネクティッドの可能性はさらに広がる。信号とつながれば、ドライバーがブレーキを踏み忘れても、安全に自動的にブレーキをかけられるかもしれない。こういった環境との連携はコネクティッド・シティでも重要になってくる。単なる自動車メーカーとしてクルマを作るだけでなく、子どもや孫の世代のための将来を見据えて準備をしているというわけだ。

富士山のふもとで進められている実証実験都市プロジェクト「ウーブン・シティ」も、そのひとつ。

東富士にある70万㎡以上もある土地の活用

豊田
“今年のCESで東富士にある70万㎡以上もあるこの土地に、人々が住み、働き、研究に参画する未来の実証実験都市を作ることを発表しました”

香川
これは驚いたなあ。でも、これがあるからルナ・クルーザーで、月という環境で「クルマに住む」ということを考えてるわけだし。ひとつだもんな、全部が。

これ(ウーブンシティの映像)も久しぶりに見るな。いや、しかし、驚きの連続だね、ほんとに。ウーブン・シティなんかも、1月に聞いたときは「何だろう、これ」って驚いたけど。

やはり、こんな年になるとは思ってもみなかったし、年の終わりに見ると、「こうやってある種閉鎖された空間で、人々が生きていくことも将来的にあるのかな」とさえ思うもんな。

発想が踏み込んでるし、それがいい具合に循環するし。なんか発想がぬるくないんだよね。一歩先なんだよな。恐れずに、その一歩を踏み出すんだよね。

(中略)

実証実験都市プロジェクト「ウーブン・シティ」

豊田
“ウーブン・シティの一番エキサイティングなことは、実証実験都市というだけではなく、人々の暮らしがもっとつながり、もっと効率的で持続可能なものとなり、人生において意味のある時間を生み出していける可能性です。”

香川
そうだよね。何が幸せというものなのか、という定義にまでさかのぼるね。

私たちは「幸せを量産している」と考えたい

モビリティカンパニーへと変革を進めるトヨタが取り組んでいくこと

メッセージの最後に、豊田社長はモビリティカンパニーへと変革を進めるトヨタが取り組んでいくこととして、2つのポイントを挙げた。ひとつはソフトウェアとハードウェアに同じ比重で注力すること。これまで自動車製造という「モノづくり」を柱としてきたトヨタだが、今後はそれと同じだけの力をソフトウェアにも注ぐ。もうひとつは他社との協業を通じて積極的に企業力強化に取り組むことだ。

さらに豊田社長の言葉は続く。「仲間同士で助け合っていくこと同様、それ以外の人々も支えていかなければなりません」。トヨタやその仲間だけでなく、地球環境や社会全体にも貢献していく。そんな決意を示した。

積極的に企業力強化に取り組む

豊田
“私たちは一企業として地球環境に配慮し、国連が定めている持続可能な開発目標(SDGs)も達成しなければなりません。社会に活力をもたらし、家族を支え、高齢者や障がい者を気遣い、子どもたちを育てていかねばなりません。”

“トヨタの起源であるトヨタウェイがなくなることはありません。ただクルマを量産しているというだけではなく、私たちは幸せを量産していると考えていきたいのです。”

香川
うーん。幸せを量産するかあ。今年のテーマだね。

芯を通す1本の柱はぶれていない

私たちは幸せを量産している

30分にわたる豊田社長のメッセージを見終わった香川編集長。トヨタというグローバル企業の社長が、一つひとつの技術革新や今後10年のこと、そして未来のことまでを、世界のトヨタの仲間たちに向かって自分の言葉で伝えたことに感銘を受けた様子。

2019年の1月にトヨタイムズ編集長として取材を始めてから約2年。自動運転ロボティクス、AI化ウーブン・シティ、そしてモータースポーツなど、編集長として見てきたすべてのテーマが、実は一貫してぶれておらず、ひとつにつながっていたことに改めて気がついた。

香川
いろいろトヨタの理念がある中で、トヨタの芯を通す1本の柱は、
まったくぶれていないんだ、と。そして、それがひとつにつながってるんだということを、あらためて痛感したね。

(中略)

私も最初は批判的な立場で見てたんですけど、どうもこの1本の柱に私自身が飲み込まれちゃってね。なんかもう柱がずんずんと真ん中で、もう周りをコンクリに埋められて出られなくなっちゃってる気がしますけれども、来年からは、しっかりと、またもともとの批判、批評の精神でもう一度目を光らせて監視していきたい、見届けていきたいと思っております。

2020年、よく頑張った! トヨタイムズ!
そして2021年も頑張るぞ! トヨターイムズ!
…しかし、これ、絶対放送できないことばっかりだと思うよ。

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