ヤリスを生んだ、東北のモノづくり
欧州で最高評価を得た新型ヤリス。その裏には震災復興への豊田社長の想いと、東北のモノづくりの力があった
豊田社長とのテレビ電話インタビューで「今回のコロナウイルスは世界中で起こっている話ですので、ぜひとも世界のトヨタの仲間にも取材をしてください」と提案された香川編集長。
アポイントが取れたのは、中南米本部、北米本部、欧州本部および東アジア・オセアニア・中東本部、アフリカ本部、アジア本部の各担当者。まさに世界中の状況を聞くことができるというわけだ。
2020年3月25日、豊田社長は世界中のトヨタの仲間達にビデオメッセージを送った。この困難に立ち向かっている全ての仲間に感謝し、「トヨタは皆がひとつの家族だ」「僕らに乗り越えられないものなんてない!」と励ます内容だった。果たしてこのメッセージはどのように受け止められたのだろうか。香川編集長が、早速テレビ電話取材に臨んだ。
豊田社長からのメッセージ動画はINSIDE TOYOTA #59をご覧ください。
豊田(映像):
明けない夜はありません。そして、これだけは忘れないでほしい…。僕らに乗り越えられないものなんてない!みんな、ありがとう。健康第一!
トヨタイムズ編集長、香川照之です。私が今見ていたのは、豊田社長が、この厳しい状況の中、世界のトヨタの仲間たちに向けたメッセージ。そのVTRを見ていました。
トヨタのですね、まあ、トヨタグループの仲間たち、全世界で、実に37万人という数がいる。この仲間たち、ビデオのメッセージの中で社長がおっしゃっていましたけれども、やはり家族であると。そして、その方たちに対して、豊田社長が「明けない夜はない」という強いメッセージを打ち出しました。
このビデオを見まして、僕自身、では、この世界各国のトヨタグループ、トヨタの仲間たちが、今この状況の中でどのような活動をしているのか。苦しい状況の中でどういった対応をされているのか。これを取材してみたいと思っております。
今日もご覧ください。はい、360度誰もおりません。なんかこれ、もうほんと、一人YouTuberみたいになってきちゃったなあ、なんか。こうやって、なんか……。まあいいや。
さあ、いよいよテレ取材2回目、行ってみたいと思います。
よろしくお願いします。
ボンジーア、編集長。ボンジーア!
ボンジア?
おはようございます。
それは何、ポルトガル語ですか?
これは、はい、ポルトガル語とスペイン語…、まあ、ボンジーアです。
よろしくお願いします。中南米本部長の井上さん。それから、ブラジルトヨタのチャンさん。
はい、こんにちは。
こんにちは。よろしくお願いします。それから、アルゼンチントヨタ、エレーロ社長。よろしくお願いします。
エレーロです。
それから、広報のビビアンさん。よろしくお願いします。
こんにちは。
まずブラジルおよび中南米全域は、本来はどういうようなトヨタの活動をされているのか、説明していただいてよろしいでしょうか?
中南米本部は、メキシコを除くその下のグアテマラという国から南のアルゼンチンまで、40カ国あります。
え、40もあるんですか!?
40もあるんです。
40もあるんですか。
それで、それぞれの国で、ブラジルと、アルゼンチンと、ベネズエラに工場がありまして、ハイラックス、ピックアップとかカローラを生産して地域で売っている。そんな活動をしてます。
この新型ウイルスが世界中を駆け巡っているという状況の中で、どのような形に変わっていくんでしょうか?
大変な状況でして、ブラジル、アルゼンチンのみならず、ほぼ40カ国でロックダウン、都市封鎖ですね。これが、ほぼ全域で起こってまして。すべての営業活動は止まっている状況です。
はあー。そういう状況の中で、実際、その販売活動っていうのはどういうふうにされてるんですかね?
この辺についてラファエル・チャンは、どんな感じ?今の販売店の状況は?
すべてのビジネスは閉鎖されています。開いているのは、スーパーとドラッグストアのみです。私たちの場合、ディーラーは休業しているので、主にスペアパーツとサービスショップでの緊急事態に応対しています。インターネットも活用して、顧客に連絡もしています。営業活動としてできることはそれくらいしかありません。
ブラジル人の方だと陽気だというイメージしかなくて、そんな方々が、ご自宅に収まっていられるんですかね?チャンさんにちょっと…。
たしかにラテン系の人々はそんな感じですね。ハグやキスすることが大好きです。でも最近はお互いあまり近くに寄らないなど、できるだけ感染の可能性を抑える努力をしています。
アルゼンチンや他の国と同じように、私たちも週末はよく家族と一緒に過ごします。
アルゼンチン人にとって友人や家族との週末のバーベキューは欠かせません。今はできません。隔離検疫は26日から非常に厳しい状態になりました。今できることはビデオ通話で乾杯するくらいですね。
アルゼンチンは医療機器が十分にあるとは言えないので、医療サービスの崩壊を防ぐためにできるだけ感染者を避ける努力をします。
もう、そういう状況なんですね。
女性にとって、もう一つ難しいことがあります。子どもたちも登校できず家で勉強しています。私たちは仕事もしながら家事もするし、まだ子供の世話もしないといけません。まだ平気ですが、良い勉強にもなってます。
でも、外に出て、それこそサッカーとかしたい盛りなんじゃないの?
いいえ。ビデオゲームが大好きだから。今だけはビデオゲームを解禁してあげました。半年でも家にこもっていられるでしょうね。(笑)
井上CEOとしては、この状況の中でトヨタとして、どういう方向性を持ってやっていくことが、今後のためになるというふうに思われてますか?
やっぱりインパクトがものすごく大きいです。経済を動かす上で「クルマをつくる」「モノを運ぶ」「売る」というその移動自体が封鎖されていまして。東京なんていうのは、日本はやっぱり世界から見てちょっと特殊な国で、「この状況でよくみんな出社してるな」ってみんな驚いてます。(サンパウロでは)今、道に行っても完全に人いないです。昼間でもいないです。
そういう中で、これがイタリア、スペインを見てますと3カ月続きましたので、3月から始まったブラジル、アルゼンチン、中南米が3、4、5の3カ月も止まるということを考えると恐ろしいんですけれども。それでもですね、豊田社長がこの間、ビデオメッセージをつくってくれまして…。
はい、それをぜひ伺いたいと思ってました。
「深刻になるな。真剣になれ!」と。やれることをやらないと、やれないことをウジウジ考えてたら、ほんとに悲観的になるということで、自分らがやれることを、ビジネスであれ、社会貢献であれ、家庭であれ、それをやれと。で、そのビデオをみんなに見てもらいながら、今こういうコミュニケーションをですね、ビビアンを通じて、ラファエルとエレーロから直接発信してもらって。おそらく1年も続かないと思いますので、今やれることをやって、明けたときにはガッと、こう、みんなが元気にガッと行くのがラテンですので。今は協力して耐えていこうと。こういうような姿勢で、みんなでやっています。
今、やっぱり全世界が暗くなってる中で、逆に、世界中のトヨタの仲間たちに対してメッセージがあると思うんですね。
私たちはこの状況に打ち勝ちます。一緒ならよりいっそう強くなれます。
私達は過去に多くの不可能を成し遂げ、危機も乗り越えてきました。今回は少し難しいかもしれませんが、一緒だからこそ、この途方も無く不可能なことに立ち向かえます。共にこの逆境を克服できると確信しています。
今現在、恐怖を感じる人もいるかもしれません。しかし多くのことを学んだり、自らの価値を見直す好機とも言えます。答えはそこにあります。共に力を合わせましょう。過去に行った良いことを再確認する機会であり、将来はより良い人間に成長していることでしょう。
ありがとうございます。ビビアンが1日も早く静かな状況で、一人で仕事できるように僕も願ってますよ。
サンキュー。
エレーロさんが、さっきからね、ガズーレーシングチームのユニフォームを着てるんですよ。やっぱ似合いますね。
心のブランド(笑)。
いいですね、やっぱり。中南米の方はいいですね!このまま飲み会になりたいもんですね、なんか。
ぜひこちらに来てくださいよ。
オーケー、行くよ!
ぜひ来てください。
来てください!
でも、本当にね、経済的な状況、財務的な状況は厳しいと思うんですけれども、こうやって皆さん笑顔で対応してくださって、ほんとに感謝しております。
本当にありがとうございます。
それにはやっぱり、体が健康じゃないといけないわけですよ。ね。なので、日本語で「健康第一」という言葉があります。「健康第一」っていう言葉を、最後に皆さんで一緒に「せーの」で言っていただいてよろしいですかね?
せーの…。
健康第一!
ありがとうございました!
編集長、ありがとうございました。
ポルトガル語で、ありがとうございましたって何だっけ?
オブリガード。
オブリガード(笑)!
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