トヨタイムズ

トヨタのモノづくりを支えるトヨタ工業学園とは?【トヨタ工業学園取材】

香川編集長 2020.03.16 UPDATE

INDEX

学費は無料で、手当も出る

香川

改めて、設立されたのはいつなんでしょうか?

深津

1938年になります。前身(の設立)がですね。1937年にトヨタ自動車ができまして、その翌年の1938年に前身である豊田工科青年学校。ここから始まりました。

香川

なるほど。ちなみに、全寮制、ほぼ寮で皆さん暮らしている中で、入学してからの学費っていうのはどうなっているんですかね?

深津

学費はありません。手当をもらって、皆さん訓練をしていくということですので。

香川

学費ない!?

深津

はい。

香川

これまたすごいですね。

深津

「トヨタ工業学園に入る」イコール「トヨタ自動車の社員になる」ということですので、彼らの仕事はここで心を磨き、体を作ることが仕事になってきます。ですから、手当をいただきながら、学費はないということです。

香川

え?手当をいただくっていうのは、どっちがですか?

深津

生徒が、手当をいただく。

香川

生徒がもらうんですね!

深津

はい。

香川

そういう学校なんですね。入学します!

深津

(笑)

香川

システムが根底から違いますね、学校というニュアンスとは。

深津

それがトヨタとしての人づくり。「企業は人なり、モノづくりは人づくり」と言われている原点だと思うんです。

香川

はあ。

深津

ですから、モノをつくる技術の前に、モノをつくる心。それは「決して諦めない」という喜一郎のモノづくりの思いを、きちっと情熱を持って。そういう人を作っていきたいという思いが、この学園の原点にあると思うんです。

香川

なるほど。

学んだことを、自分の姿で後輩たちに伝える

次に深津学園長は、昨年の卒業生でトヨタ技能者養成所に所属する水月理央氏を紹介してくれた。水月氏は昨年度の卒業式で、卒業生代表として豊田社長の前であいさつの言葉を読み上げた。
(→ 「学園生」という選択 ~トヨタのモノづくりを支える学校~

深津

それでは、昨年卒業した71期生で、ぜひ紹介したい者がいますので、ちょっとこちらへお願いします。

香川

こんにちは。

深津

技能五輪の木型職種。

香川

技能五輪というのは、どういうものなんですか?

深津

19歳から23歳の中で、技能を競う大会です。

香川

今、これは何をつくられているんですか?

水月

今は曲管といって、パイプが曲がったような形状の加工を行ってました。

香川

最初に入ったときから、この技能五輪の…。うわっ、すごいですね、これ。

深津

これがですね、昨年の全国大会でつくったハンディ掃除機なんだね、これ。

水月

はい。ハンディクリーナーを模した課題です。

深津

これが、実際に加工したものになります。

香川

はあー。これをどれぐらいで作るんですか?

水月

これは10時間で。

香川

10時間で作る!?

水月

はい、作ります。

香川

時間のリミットもあるんですか?

深津

あります。

香川

うわあ、すごいですね。

香川

会社の1人として、僕がいるからこういうふうにトヨタはなるんだという認識、あるいは具体的なイメージというのは、持っていらっしゃいますか?

水月

技能五輪で学んだこと、その中にやっぱり難しい課題とかがあっても、いろんな方法を試して、追求していって、五輪に関わらなかった人とかにも、姿で見せていくというか、そういう部分で広めていけるのかなというふうに感じています。

香川

なるほど。どんな極限になっても、乗り越えられる、乗り越える方法があるに違いないと思う力。そして、そういう方法論や精神力を後輩にも伝えて、周りにも伝えていくということを思ってるんですね。

水月

はい。

香川

なるほど。勝てそうですか?

水月

勝ちます。

香川

頑張ってください、ほんとに。

水月

はい、ありがとうございます。

香川

うわあ、これ、どうやったらこんなんなるの?

深津

ドアトリムです。

香川

はいはい。なるほど。そういうことですな。

RECOMMEND

ヤリス欧州COTY受賞 COTY審査委員長が語る、欧州でヤリスが選ばれた理由

ヤリスが欧州COTYを受賞した理由とは。審査委員長を務めるフランク・ヤンセン氏に、ヤリスのどの部分が評価されたのかを聞いた。

2021.04.27 UPDATE READ MORE

岩手県の小さな商店で、トヨタが気づかされたこと

トヨタグループが買い物支援を行う町を、自動運転を担当する山本CSOが訪問。見えてきたのは意外な事実だった...。

2021.04.30 UPDATE READ MORE

【超解説】二酸化炭素排出実質ゼロに向かってどうするべきか!?

2050年までにカーボンニュートラルを目指す。そのためにモビリティに関わる私たちができることは?まずは正しい知識の獲得から。

2021.04.28 UPDATE READ MORE