2020.02.14

20歳になったWoven Cityを見てみたい

デトロイトで香川編集長が豊田社長と対面してからちょうど1年。スープラからはじまった取材は、レースの現場やテストコースからAI、自動運転を経て、ついに「未来の街を作る」という発表に立ち会うことに。着実に変わりつつあるトヨタの姿に、編集長は何を感じただろうか。インタビューの最後に香川編集長が演じた「71歳の香川編集長」と「80歳の豊田社長」の掛け合いにも注目!

ここまで具体的に決まっているとは思わなかった

Q.  今回の発表の感想をお聞かせください

まあ、あの類のことだと思ってはいましたよ。クルマの何かソフトを発表して、「これだけ新しい技術がある」ということではないだろうと。さりとてその電化製品の見本市というようなところに寄ったことをトヨタがするわけでもないだろうと。どこかで、次世代は「Mobility for All」だと。すべての人に対して移動の手段を与えて、好きなところに移動して、快適に健康に楽しく幸せに暮らしていくというものを、モビリティというものを通してやっていく企業ですから。

そういう意味では、その類のことを発表するだろうなという風に思っていましたけど。あそこまで具体的に近未来の、場所まで決まって、時期まで決まっていることとは思いませんでしたね。

普通ああいう大企業で、こういうまったく新しい決断というのは、保守的な部分が勝って、絶対に「イエス」とみんな言わないはずなんですよね。でもそこがトヨタの今、特にすごいとこだと思って。ナショナルフラッグを背負ってる会社と新進気鋭の会社だと、新進気鋭の会社の方がなんでもやっぱり攻めてるわけです。それが日本のベーシックな態度だととも僕は思うんだけれども、トヨタというやっぱり、どこか国を背負ってる会社が一番突拍子もない新しいことをバン!と言ったというのが、すごく歴史的な出来事だったと思います。そう感じました。歴史的な瞬間だな、と。

あー、このために全部やってたんだ!

Q.  今までの取材と今回の発表、繋がりを感じましたか?

「モビリティカンパニーになる」っていう。トヨタがね。ここからもう分かんないわけですよ、最初は。モビリティカンパニーっていう英語を、和訳してくれよと。でも和訳したところで分からないわけです。「移動会社」ってことでしょ。要は。それすらももう結びついてないような単語2つだから。

それも分からなかったし、それが自動運転を体験もしたりとか、そしてあとはAIですよね。AIと自動車がどう結びついてるか、そして次世代ロボティックスの研究だったりが、どう自動車とどう結びついてくか。

そりゃ個々としては分かるんだけど。そうでなくて、やっぱり自動車を作って、具体的にリアルなものを消費者に配給している会社がやっているということが、どういうことかを見せつけられた気がしますよね。全部を繋げたというか。

プラモデルでもいいけど、1個1個部品を作って「1個置いときます」「はい、これで1個完成」と。次はこう、その次はこう、といったのを、全部組み立ててみたら、「あー、こういうロボットだったんだ!」と初めて見せられるような。「あー、このために、こういうの全部やってたんだ!」と。

すべてがこう、本体にガチャガチャ結びついていく。まだ頭の中のレベルだけど、ここまでやってたんだと。今、豊田社長がやってることが、技術的なことも含めて、あるいは会社の変革的なことも含めて、あるいは運勢的な導かれる偶然の事象も含めて、すべてがひとつにうねってるような感じを、このラスベガスで受けましたね。うん。こうとは思わなかった。

「揺るがない心」を持ち続けられるか

Q.  Woven City(ウーブンシティ)は成功すると思いますか?

今は生まれたばかりなので、この賭けに勝つかどうかは、まだ後日、後の話というニュアンスなんですね、僕の中では思うのは。今はその体験を積み重ねていくことが重要なんじゃないかと。現実に富士山の麓にこういう街があって、人々が暮らしてるのが今日一日終わりました、というようなことを重ねていくことが重要な気がしましたね。

ただまあ、いろいろ大変なことは起こりますよ、これから。ここが難しい、ここはできない、ここは頓挫した、ここはちょっと計画練り直さなきゃいけない。そのときに、やっぱり技術者たちが、今日社長が発表した「揺るがない心」を、揺るがないまましっかりと持ち続けて貫徹できるかどうかっていうのが、第2、第3のステップでしょうね。

社長がおっしゃった通り、「今生まれたばかり」と。それはもちろん。生まれた赤ちゃんに、「なんじゃお前ー!勉強せえ!」とは言わないわけで。「いるだけでかわいい」っていう状態ですからね。「かわいいなー」って。でもそれだけ言ってられないわけですよ。やっぱり5歳10歳15歳、20歳になったときに。Woven Cityが20歳になった時にどういうような青年になっているかっていうのは、とても興味がありますね。