トヨタイムズ

2020年、節目の年にふさわしい取材をしていきたい【車中取材】

香川編集長 2020.01.01 UPDATE

2019年1月、トヨタイムズ編集長に就任した香川編集長。デトロイトモーターショーで豊田社長にインタビューしたのを皮切りに、ニュルブルクリンクやシリコンバレーなど、トヨタのクルマづくりの鍵となる現場を精力的に取材し、「モビリティカンパニーになる」と宣言したトヨタの「本当のところ」を見つけるべく切りこんでいった。そんな1年間は香川編集長にとってどんな収穫があったのか。そして今年は何を目指すのか。その思いを聞いた。

Q.  一年間、編集長として取材をしてきた感想をお聞かせください
香川

最初は、こんなにいろいろ深く見るということを想定していなかったので、1年前はほんとに何も知らない状態から始まって「モビリティカンパニー」という耳慣れない言葉を聞いて。そこから入っていったんですけれども、トヨタ自動車が構想しているのはこういうことなんだ、というのが一つひとつ目の前に、具体的に提示されることによって、その像がすごくはっきりしだした。

自動運転も含めた、今の自動車業界の先端がどういうことになっているのかということも認識できた。思いもよらぬ詳しい情報を入れることができて、これからそれがどうなっていくのか見るのが楽しみになった。編集長としてそんな機会をもらったのは、ありがたいなと思いましたね。

Q.  取材を通じて豊田社長はどんな人だと感じましたか?
香川

思えば社長と出会うところから始まって、デトロイトで。そのとき出会ったスープラに、社長の運転で乗るなんて思いもよらなかったから。

とにかく自動車が好きで、自動車の未来のことを考えていて、この国と国民と自動車との関係性が、100%明るく未来に向かっていくということにコミットメントを置いている。立場もあるし、知もあるし、すべてを備えた人が命がけで真剣になっている姿っていうのを、この1年間見ることができましたね。全力で、命がけでやっている方っていう感じですかね。普通やらなくていいことも全部やっちゃうという。
ご自身はおっしゃるんですよ。「僕自身じゃ全然足りないから、副社長さんに助けてもらったり、皆さんに助けてもらったりしている」とおっしゃいますけど。もっともっと、いろんなことを知らないのが(一般的な)社長だったりするし、ひいては、もう本当に仕事してない社長が多いと僕は認識しているんですけど。

(豊田社長は)第一線で土にまみれたこと、泥にまみれたこともいとわず、仕事として24時間の中に組み込んでやられている方、というイメージがありますね。今日、運転されている姿が何より物語っているかな。

Q.  今日乗った3台のクルマの乗り心地はいかがでしたか?
香川

まるで別もんですな。同じクルマとは思えない。トヨタももちろんそうだけど、クルマというものが持っている定義の広さを感じることができましたね。

スープラは、とにかく横に横に、そして前に前にという力を感じましたし、86 はレース仕様。そしてマニュアル車としての懐かしい、この遊びと緩みと、ちょっとこうズレてる感じ。我々は教習所がマニュアルで、エンストなり、坂道発進なり、縦列駐車も、このアクセルとクラッチの感覚で。今でも思い出すけど、それで育ってきた世代としては、ああいうクルマに乗ると、クルマの幅の広さを感じます。

一方、MIRAIという本当に未来のクルマは、自然の音のほうが大きくて、ヨットに乗っている感じのクルマなんだと、これは。窓にカメラが張り付いているから、窓は開けられないんだけど、窓4枚全部開けたら本当に静かで、下山の鳴いている鳥の声のほうが聞こえてくる。そういうクルマだなと思うと、ああ、これは未来の選択肢の一つとしてあるなと。

3台乗ってみて、過去・現在・未来、クルマにはこういう歴史があったなというのをすべて、トヨタを軸にして見させてもらった感じがしますね。

ただガソリン世代だからさ、スープラの感じが好きだなと思いますね、音も含めて。

Q.  今年はどういった取材をしていきたいですか?
香川

2019年はトヨタイムズの編集長1年目として、「モビリティカンパニーとは何か」というものは主に自動運転、そして「いいクルマとは何か」という本来のトヨタの姿勢がどういうものか、といった視点から、今までのトヨタをいろいろと見させていただきました。

ただ、それと同時に「今後どうなのか」というのも提示されて、それも見ることができたので、2020年、今後どうなっていくのかという広がりを見たいんですよね。どんな展開があるのか。どんな広がりがあるのか。

2020年はご存知のとおり、オリンピック・パラリンピックが東京で開かれるという、我々にとっては節目の年になると思うんですよ。語り継がれる年になる。「あの年はこうだったね」という、ものすごく大きな年になる、きっかけのような気がするので。

図らずもトヨタがオリンピック・パラリンピックの協賛で、競技を応援しています。もちろん金銭的な、資金的な部分もあるだろうけど、それ以上に豊田社長の感覚だと、いろんな観点でこの大イベントを支えよう、ということがあるに違いないと思うんですね。

その意味では、どういうふうにトヨタ自動車の根っこと、このオリンピックのイヤーがつながっていくのかというのを見ていきたい。一方で、ずっとわれわれが言い続けた、未来の自動車。電気自動車の時代が来る、水素自動車時代が来る、そして自動運転時代が来る。これに関して、トヨタが2020年MIRAIを発売するというふうにおっしゃっていましたので、どんな具体的な戦術や展開があるのか。これをリアルタイムに、何かあったらすぐに飛んでいく、というような取材の仕方をしたいと思いますね。

何か2020年というのは節目の年だから、自動車のことでも何かが起こる気がするんですよ。それに対して、具体的に、リアルに、タイミングを逃さずに取材していくということをやりたいというのがあります。

今トヨタに起こっていることを、トヨタイムズ編集長としてはくまなく拾って、世界中に何が起こっているかということも含めて、この東京にオリンピックがやって来るという節目の年にふさわしいアングルの取材をしていきたいと思いますね。

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